プラットフォーム資本主義を解読する
スマートフォンからみえてくる現代社会
ビッグ・テックの「しかけ」を、
わかりやすく、この1冊で。
スマートデバイスを手にしたわたしたちの背景に溶け込み、膨大なアテンションを資源化しながら、巨大インフラへと変貌したGAFAMを中心とするメディア社会――その利便さがもたらす恩恵、快楽に覆い隠されたリスクと課題を雇用・労働、ユーザー、インフラといった観点から解きほぐし
身近な切り口から、多角的に問題を照らし出す、画期的な入門書!
本章で解読してきた、プラットフォーム資本主義の仕組みと新封建主義へと向かう傾向に抗することの可能な、「来るべき抵抗形態の始まりを、現時点でもすでにとらえることができるだろうか」。
[…]この問いに対する肯定的な答えとヒントは、本書のそこかしこに、また本書全体が接続している技術的・社会的諸実践のなかに見出すことができるはずだ。「Chapter 10より」
執筆者紹介(*は編著者)
水嶋一憲*(みずしま かずのり)
大阪産業大学経済学部
国際経済学科教授
担当:まえがき,Chapter 10,12,文献ガイド
ケイン樹里安*(けいん じゅりあん)
元 昭和女子大学特命講師,社会学者
担当:まえがき,Chapter 06
妹尾麻美*(せのお あさみ)
追手門学院大学社会学部准教授
担当:まえがき,Chapter 02
山本泰三*(やまもと たいぞう)
大阪産業大学経済学部経済学科教授
担当:まえがき,Chapter 01,文献ガイド
金 埈永(きむ じゅんよん)
韓国雇用情報院研究員
担当:Chapter 03
宇田川敦史(うだがわ あつし)
武蔵大学社会学部
メディア社会学科准教授
担当:Chapter 04
久保友香(くぼ ゆか)
博士(環境学),メディア環境学者
担当:Chapter 05
佐幸信介(さこう しんすけ)
日本大学法学部新聞学科教授
担当:Chapter 07
山川俊和(やまかわ としかず)
桃山学院大学経済学部経済学科教授
担当:Chapter 08
中野 理(なかの おさむ)
日本労働者協同組合連合会理事
担当:Chapter 09
水越 伸(みずこし しん)
関西大学社会学部メディア専攻教授
担当:Chapter 11
勝野正博(かつの まさひろ)
目白大学メディア学部メディア学科
准教授
担当:Chapter 11
第I部 プラットフォームと現代の労働
Chapter 01
プラットフォーム資本とは何か
現代を席巻したメディア・インフラ,そのビジネスをめぐる問い 山本泰三
1 アプリは何をしているのか
2 プラットフォームで何が起こっているのか
3 ネットワークの何が重要なのか
4 何がプラットフォームを巨大にするのか
5 プラットフォームは何に依存しているのか
Chapter 02
プラットフォームに囲い込まれた大学生
乱立する就職情報サービスについて考える 妹尾麻美
1 ナビサイト/逆ナビサイト/口コミサイト
2 プラットフォームとしての就職情報サービス
3 透明に見える労働市場媒介者
4 大学生と企業を媒介するプラットフォーム
Chapter 03
プラットフォームの労働者たち
ギグ・ワーカーを社会保障制度にどう位置づけるか 金 埈永
1 はじめに
2 プラットフォーム労働とは何か
3 プラットフォーム労働者の労働条件:韓国を中心に
4 プラットフォーム労働が及ぼす影響
5 プラットフォーム労働者保護のための制度改革
第II部 プラットフォームを織りなすアクターたちとイメージ
Chapter 04
検索プラットフォームの生態系
さまざまなアクターが構築するアルゴリズム 宇田川敦史
1 検索プラットフォームと「フェイク・ニュース」
2 ランキング・アルゴリズムとアテンション・エコノミー
3 SEO によって変容するアルゴリズム
4 プラットフォームの権力を構築する複雑なアクター
Chapter 05
ソーシャルメディアを彩る自己イメージ
日本の若年女性のセルフィ(自撮り写真)から考える 久保友香
1 メディア空間に増殖する自己イメージ
2 自己イメージの生産,流通,消費の変遷
3 自己イメージを生産する目的
4 自己イメージの経済価値
5 むすび
Chapter 06
人種化するプラットフォームと向き合う
指先で抑圧に加担しないために ケイン樹里安
1 「人種」を基盤とする「つながりっぱなしの日常」
2 常識としての「ハーフ」?
3 「ハーフ」イメージの歴史性
4 美の基準と抑圧
5 ちぎりとられたダイバーシティと否認するレイシズム
6 「場所貸し」の問題
7 人種化に抗して
第III部 インフラ化するプラットフォームの現在と未来
Chapter 07
スマートシティで安楽の夢をみることができるか
ゴーレム化する都市のセキュリティと戦争の恒常化を考える 佐幸信介
1 見える都市,見えないスマートシティ
2 インテリジェント・システムからスマートシティへ
3 ゴーレムとしてのスマートシティ:資本とテクノロジー
4 おわりに:オルタナティブな方向は可能か
Chapter 08
プラットフォーム資本主義の環境的基盤
カーボンニュートラルとエネルギー問題 山川俊和
1 プラットフォーム資本主義の環境負荷
2 カーボンニュートラルをめぐる論点
3 日本のカーボンニュートラル政策
4 新しい社会・経済のビジョン:「廃棄制約」の時代
5 20世紀パラダイムからの転換を
Chapter 09
プラットフォーム協同組合
市民主体のデジタル・プラットフォーム経済に向けて 中野 理
1 プラットフォーム資本主義の問題点とは何か
2 「協同組合」を知っていますか?
3 プラットフォーム協同組合というアイデア
4 プラットフォーム協同組合の事例
5 プラットフォーム協同組合の可能性とその課題
Chapter 10
プラットフォーム資本主義の光景と新封建主義の傾向
スクリーン・ユーザー・Amazon・Uberの分析を中心に 水嶋一憲
1 スクリーンとマスク
2 ユーザーとビッグ・マザー
3 パンデミック・メディアとプラットフォーム資本主義
4 新自由主義から新封建主義へ
5 来るべき抵抗形態の始まり
プラットフォームの理解を深めるための道具箱
Chapter 11
声に出して読む利用規約
プラットフォームを理解するためのワークブック 水越 伸・勝野正博
1 気づきのためのワークブック
2 Instagram のアカウントを作成する
3 声に出して読む利用規約
4 声に出して読むデータ・ポリシー
5 当たり前のメディアに気づくための技法
Chapter 12
プラットフォーム資本主義を解読するための視座
ニック・スルネックの著作を参照軸に 水嶋一憲
1 インターネットからプラットフォームへ:企業プラットフォーム複合体の台頭
2 ニック・スルネック『プラットフォーム資本主義』の構成と内容
3 データの採取装置/レントの領有装置としてのプラットフォーム
4 プラットフォーム資本主義の複数化とポスト資本主義の未来に向けて
文献ガイド
事項索引
人名索引
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