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『ヒマラヤの東 山岳地図帳』書評掲載『地学雑誌』125号

中村 保 著 『ヒマラヤの東 山岳地図帳のくわしい書評が、『地学雑誌』に掲載されています。

評者は、岩田修二さん(地理学者・東京都立大学名誉教授)です。

 

「……評者は,本書の解説記事中の山の位置を一つ一つ地図で確認しながら読み進んだ。それは楽しく興奮する時間だった。中村の踏査行の情報は雑誌や横断山脈研究会の報告で把握していたが,本書を読むことによって,チベット高原の東半分の山やまの地形や氷河を,俯瞰するような形で,いちどきに,眺め,理解することができた。地図と写真が対照できるようにならべて配置されているので,山岳地形や氷河の地域ごとの比較が容易だった。つまり,山や氷河の地域性がはっきりと脳裏に刻まれた。そして,山域ごとの山容や氷河の違いは何によるのか,あるいは,四川省に多い岩のピナクル群はどうしてできたのか,など考えるべきことをいろいろ発見できた。
チベット高原とその周辺部の現地調査は中国の政治状況によって最近ますます困難になっている。幸い,さまざまの衛星画像やDEM情報によって自然や地域の把握は容易になっているが,この場合,山名もわからず,地上写真もない状態では,調べる「とっかかり」が得られず研究ははかどらなかった。本書は調査・研究にうってつけのインデックスになる。この出版によって,チベットの地理研究を一段と進めることが可能になろう。
評者は,1989年にニンチェンタングラ山脈東部の中央部パロンツァンポー源頭のゼプ氷河で調査した経験があり,そのとき,この山域に広大な未知の領域があることを知った。しかしながら,その未知の地域を解明できず無念であった。本書はその無念をはらしてくれる。著者中村は,25年間もかけて,この未探検地域を踏査し,貴重な地域情報を記録し,地図とその関連資料という形で示した。研究者ができなかった成果をあげられた長年の努力に心からの敬意を表する。」

 

「新刊紹介」 のページにPDFが掲載されています(雑誌の発行は4月)。

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