言葉に出会う現在

言葉に出会う現在

九鬼周造を出発点にオリジナルに深化した、恋愛論、押韻論、共食論等、切れ味鋭い11の論考に加え、書評・エッセイも多数収録。

著者 宮野 真生子
ジャンル 哲学・倫理  > 哲学
出版年月日 2022/07/17
書店発売日 2022/07/22
ISBN 9784779516795
判型・ページ数 4-6 ・ 320ページ
定価 3,300円(税込)

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九鬼周造を出発点にオリジナルに発展・深化した、恋愛論、押韻論、共食論、母性論等、切れ味鋭い11の論考に加え、書評・エッセイも多数収録。
早逝の惜しまれる著者の珠玉の哲学論考集。



●著者紹介
宮野真生子(みやの・まきこ)
1977年大阪府に生まれ,その後和歌山県で育つ。京都大学大学院文学研究科博士課程(後期)単位取得退学ののち,福岡大学人文学部准教授。2019年,大阪大学より博士(人間科学)。著書に,『なぜ,私たちは恋をして生きるのか――「出会い」と「恋愛」の近代日本精神史』(ナカニシヤ出版,2014 年),『出逢いのあわい――九鬼周造における存在論理学と邂逅の倫理』(堀之内出版,2019年),『急に具合が悪くなる』〔共著〕(晶文社,2019年)など。
2019年逝去。

●編者紹介
奥田太郎(おくだ・たろう)
南山大学人文学部教授。南山大学社会倫理研究所所長。著書に,『倫理学という構え――応用倫理学原論』(ナカニシヤ出版,2012年)など。
【エッセイ】恋とはどういうものかしら?


第一章 道具・身体・自然
     ――宗悦と宗理――
 1 近代化と生活する身体
 2 柳宗悦における風土的身体  
   ――フィクションとしての自然――
 3 柳宗理における風土的身体  
   ――別な自然への視線――


【書評】伊藤徹編『作ることの日本近代―一九一〇― 四〇年代の精神史』世界思想社、二〇一〇年


第二章 押韻という夢
     ――ロゴスからメロスへ――
 序
 1 『日本詩の押韻』という試み
 2 呼びかけとしての押韻
 結


【書評】佐藤康邦・清水正之・田中久文編『甦る和辻哲郎――人文科学の再生に向けて』ナカニシヤ出版、一九九九年


第三章 恋愛・いき・ニヒリズム
 序
 1 「いき」をめぐる諸言説
 2 「恋愛」を求めて  
   ――透谷・泡鳴・有島の試行錯誤――
 3 「恋愛」と「他者」をめぐる問題
 結 


【エッセイ】ここにいることの不思議


第四章 死と実存協同
    ―――無常を超えて偶然を生きる――
 はじめに
 1 「無常」を語る危険性
 2 「メメントモリ」
 3 「愛」としての「死者からのはたらきかけ」
 4 偶然性における実存協同
 おわりに


【書評】佐藤啓介『死者と苦しみの宗教哲学――宗教哲学の現代的可能性』晃洋書房、二〇一七年


第五章 恋愛という「宿痾」を生きる
 1 問題の所在
 2 北村透谷の「恋愛」 
 3 「コケットリー」とは何か
 4 「賭け」の先にあるもの
 5 「いき」とは何か
 6 「コケットリー」と「いき」
 7 「いき」の魅力
 8 さいごに


【エッセイ】愛


第六章 近代日本における「愛」の受容
 1 「愛」をめぐる問題状況
 2 「愛」という言葉は何を意味しているのか
 3 「色」から「ラブ」へ
 4 恋愛としての「ラブ」に託されたもの
 5 恋愛としてのラブの危険性
 6 「愛」があれば、どうなるのか
 7 「一つになる」愛の果てに
 8 さいごに


【エッセイ】性


第七章 母性と幸福
     ――自己として、女性として生きる――
 はじめに
 1 母と子の関係をめぐる変化
 2 子どもへの違和感
 3 「自己」として生きること
 4 平塚らいてうの「自己」と「自然」
 5 「母性」への転回
 6 母性という桎梏、その別の可能性
 さいごに


【エッセイ】家族


第八章 「いき」な印象とは何か
     ――「いき」をめぐる知と型の問題――
 はじめに  
 1 印象とは何か  
 2 「いき」という美意識  
 3 「いき」の「意味体験」とは  
 4 印象を成立させる動性  
 5 「二次元動的可能性」としての自己と他者  
 おわりに  


【書評】谷口功一・スナック研究会編『日本の夜の公共圏――スナック研究序説』白水社、二〇一七年


第九章 カウンターというつながり
     ――『深夜食堂』から考える――
 はじめに  
 1 『深夜食堂』以前
 2 『深夜食堂』の紹介
 3 居酒屋とサードプレイス
 4 カウンターという空間
 5 『深夜食堂』における食の機能
 6 「サードプレイス」の「やわらかな公共性」
 さいごに  
  ――ふたたび『深夜食堂』――


【エッセイ】カウンターには何があるのか?


第十章 食の空間とつながりの変容
 はじめに  
 1 どのように共食するか  
 2 共食に何が託されてきたか  
 3 どこで食事をするのか  
 4 「家事」という大問題  
 5 戦後の「共食」のあり方と現代の「食」  


【書評】伊藤邦武『九鬼周造と輪廻のメタフィジックス』ぷねうま舎、二〇一四年


第十一章 言葉に出会う現在
     ――永遠の本質を解放する――
 はじめに  
 1 偶然性における「永遠の現在の鼓動」  
 2 回帰的時間における「永遠の今」  
 3 詩の時間性  
 4 押韻と偶然性  
 おわりに  


編集後記(奥田太郎)
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