出会いと別れ

「あいさつ」をめぐる相互行為論

出会いと別れ

出会いとは何か、別れとは何か? 学際的に分野を横断しながら、相互行為(インタラクション)そのものの成り立ちに迫る!

著者 木村 大治
花村 俊吉
ジャンル 教育・語学・文学  > 語学・言語学
地理・歴史・人類学  > 文化人類学
社会・文化
出版年月日 2021/09/28
書店発売日 2021/10/30
ISBN 9784779514982
判型・ページ数 A5 ・ 374ページ
定価 4,840円(税込)

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出会いとは何か、別れとは何か? 挨拶(あいさつ)とは何か?

人類学、認知科学、エスノメソドロジー、会話分析、霊長類学、動物行動学など学際的に分野を横断しながら、「出会い」という特異点を見ることで、相互行為(インタラクション)そのものの成り立ちに迫る!

※QRコードを通じて本書で取り上げたさまざまな動画にアクセスが可能・便利で充実した用語集も収録


出会いの瞬間は,新たな可能性を予感させると同時に,不安や逡巡といった形容が似つかわしいものでもある。またそこで交わされる挨拶は,社会生活には必要不可欠である一方,なぜか空疎で形式的な行為だという印象を与える。このような「据わりの悪さ」は,出会いや挨拶が,円滑に情報をキャッチボールし合うという,狭義のコミュニケーション概念からはみ出した位置にあることを示している。
相互行為において,それぞれの行為は時間的に「前」から「後」へ接続されるのだが,出会いにおいては,「前」すなわちこれまでのいきさつが存在しない。このような意味で,出会いは相互行為における「特異点」であると考えることができる。数学では,特異点を調べることで当該の図形の性質がよく理解されるようになると言われるが,相互行為研究においても,出会いという特異点を見ることで,相互行為そのものの成り立ちをより深く探究することができるだろう。
一方で,「出会い系」などという言葉に代表されるように,インターネットによる新しいコミュニケーション形態が次々と現れてきている現代は,人々が出会いに飽食し,しかし一方ではうまく出会うことが難しい時代だと言える。また,コロナ禍においてわれわれは,さまざまな新しい形の出会いを余儀なくされ,戸惑いを隠せないでいる。しかし出会いは,「こうあるべきだ」とか「これが本当だ」といった形で,ステレオタイプに考えられすぎてはいないだろうか? 出会いのやり方は,もっと多様で懐深いものなのではないだろうか?(「はじめに」より)

このボンガンドの,われわれとはかなり異なる「一緒にいる」という感覚について論じるにあたって,私は「共在感覚 sense of co-presence」という言葉を用いた。またそれは,私の最初の著書の題名ともなった。私は,個体同士が互いに相手の存在に気づき,相手を気にしながら行為している状態を,おしなべて「共在 co-presence」と呼ぶことにしている。共在のあり方は,社会により時代によって実にさまざまだが,そのそれぞれを共在感覚と呼んだのである。「共在感覚」はいわば私のコピーライトがついた用語なのだが,引用されるときには,しばしば「平和な」とか「望ましい」といったニュアンスを伴って用いられる。しかし私は,たとえ両者が無視しあっていても,争っていても,互いに相手のことを気にしながら行為しているのであれば,そこには共在感覚があると考えていることを注記しておきたい。(「第1章」より)

親和関係であれ敵対関係であれ,さらには上下や優劣の関係であれ,ヒトの挨拶には当該個体どうしの関係を確認・表明するという機能がある。挨拶が共在状態と非共在状態の移行点で交わされるのも,ある程度の長さの別離のあとの再会の時点とこれからそのような別離に至る別れの時点でこそ,しばらく出会っていなかった/これから出会えなくなる「私たち」の関係を確認・表明する必要があるからだと考えることができる。動物社会はヒト社会とは大きく共存の様態が異なるため,必ずしもヒトと同じような「状態の移行点」でなされるわけではないが,ヒトの「挨拶」と同じように「関係の確認・表明」として機能しているさまざまな動物の相互行為を「あいさつ」と呼んで,両者の差異や連続性を比較考察することもできるだろう。(「第2章」より)


この研究会の母体は,1997年から続けてきた「インタラクション研究会」(通称イン研)であり,イン研には本書の執筆者以外にも多くの方が参加されてきた。全員のお名前を挙げることはできないが,本書の執筆者の多くが,それらの参加者からいただいたご意見を糧に各章・コラムを執筆している(「おわりに」より)


●著者紹介

執筆者紹介(執筆順,aは編者,bはカバー写真の提供者)

木村大治(きむら だいじ)a・b
京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。
京都大学名誉教授。
主要著作:『見知らぬものと出会う――ファースト・コンタクトの相互行為論』(東京大学出版会,2018年),『括弧の意味論』(NTT出版,2011年),『共在感覚
――アフリカの二つの社会における言語的相互行為から』(京都大学学術出版会,2003年)他。
担当:はじめに,第1章,コラムJ

花村俊吉(はなむら しゅんきち)a・b
京都大学大学院理学研究科博士後期課程単位取得退学。修士(理学)。
京都大学アフリカ地域研究資料センター・特任研究員。
主要著作:「偶有性にたゆたうチンパンジー――長距離音声を介した相互行為と共在のあり方」(『インタラクションの境界と接続――サル・人・会話研究から』[分担執筆],昭和堂,2010年),「フィールドでサルと出遇い,その社会に巻き込まれる――観察という営みについての一考察」(『動物と出会うⅠ――出会いの相互行為』[分担執筆],ナカニシヤ出版,2015年),「新入りメスがはぐれるとき――チンパンジーの別れと再会からみたヒトの共存の様態とその「極」」(『極限――人類社会の進化』[分担執筆],京都大学学術出版会,2020年)他。
担当:第2章,コラムB,第10章,おわりに

彭 宇潔(ほう うけつ)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程(5年一貫制)修了。博士(地域研究)。
立命館大学OIC総合研究機構・専門研究員。
主要著作:Inscribing the Body: An Anthropological Study on the Tattoo Practice among the Baka Hunter-Gatherers in Southeastern Cameroon(松香堂書店,2017年),「個人の移住歴からみる定住化した狩猟採集民の居住形態――カメルーン東南部のバカを事例に」(『国立民族学博物館研究報告』45(3),2021年)他。
担当:コラムA

中村美知夫(なかむら みちお)
京都大学大学院理学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(理学)。
京都大学大学院理学研究科・准教授。
主要著作:『「サル学」の系譜――人とチンパンジーの50年』(中公叢書,2015年),『インタラクションの境界と接続――サル・人・会話研究から』[共編著](昭和堂,2010年),『チンパンジー――ことばのない彼らが語ること』(中公新書,2009年)他。
担当:第3章

牧野遼作(まきの りょうさく)
総合研究大学院大学複合科学研究科情報学専攻5年一貫制博士課程単位取得満期退学。博士(情報学)。
広島工業大学情報学部・助教/早稲田大学人間総合研究センター・招聘研究員。
主要著作:「子供を「主役」とする教育的活動の相互行為分析――博物館における展示物解説を対象として」[共著](『社会言語科学』23(1),2020年),「社会的インタラクションの定性的研究――振る舞いの連なりに対する相互行為分析」[共著](『バイオメカニズム学会誌』43(3),2019年),「フィールドにおける語り分析のための身体の空間陣形――科学コミュニケーターの展示物解説行動における立ち位置の分析」[共著](『認知科学』22(1),2015年)他。
担当:第4章

西江仁徳(にしえ ひとなる)b
京都大学大学院理学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(理学)。
日本学術振興会特別研究員RPD/京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・特任研究員。
主要著作:「社会の特異点としての孤独化――野生チンパンジーが孤独になるとき」(『極限――人類社会の進化』[分担執筆],京都大学学術出版会,2020年),「出会うべきか,出会わざるべきか――動物研究者の抱えるジレンマと「二つのわかり方」」(『動物と出会うⅡ――心と社会の生成』[分担執筆],ナカニシヤ出版,2015年),「相互行為は終わらない――野生チンパンジーの「冗長な」やりとり」(『インタラクションの境界と接続――サル・人・会話研究から』[分担執筆],昭和堂,2010年)他。
担当:第5章

矢野原佑史(やのはら ゆうし)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程(5年一貫制)修了。博士(地域研究)。
京都大学アフリカ地域研究資料センター・特任研究員。
主要著作:『カメルーンにおけるヒップホップ・カルチャーの民族誌』(松香堂,2018年),『im/pulse:脈動する映像』[共編](京都市立芸術大学,2020年),「バッファロー・ソルジャー・ラプソディー」(『あふりこ――フィクションの重奏/偏在するアフリカ』[分担執筆],新曜社,2019年)他。
担当:コラムC

善積実希(よしずみ みき)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程(5年一貫制)在籍。修士(地域研究)。
主要著作:「大学初年次を対象とする研究倫理教育
――eラーニングコンテンツを活用した試み」[共著](『大阪女学院大学紀要』16,2020年),「介助現場のフィールドワークからみる脳性麻痺児を対象とした排泄介助の工夫」(『アジア・アフリカ地域研究』19(1),2019年)他。
担当:コラムD

岡田浩樹(おかだ ひろき)
総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了。博士(文学)。
神戸大学大学院国際文化学研究科・教授。
主要著作:「トラウマの解体に抗して――在日コリアンのアイデンティティ再構築と拡散」(『トラウマを共有する』[分担執筆],京都大学学術出版会,2019年),『宇宙人類学の挑戦――人類の未来を問う』[共編著](昭和堂,2014年),「複製化し,増殖するブッタ――韓国仏教の物質化,ポップカルチャー化と忍び込むフェティシズム」(『越境するモノ(フェティシズム研究2)』[分担執筆],京都大学学術出版会,2014年)他。
担当:コラムE

坂井田瑠衣(さかいだ るい)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了。博士(学術)。
公立はこだて未来大学システム情報科学部情報アーキテクチャ学科・准教授。
主要著作:『「間合い」とは何か――二人称的身体論』[共著](春秋社,2020年),「「次の場所まで歩く」ことの相互行為的組織化――科学コミュニケーターによる来館者誘導の身体的プラクティス」[共著](『質的心理学研究』19,2020年),「傍参与的協同――歯科診療を支える歯科衛生士のプラクティス記述」(『コミュニケーションを枠づける――参与・関与の不均衡と多様性』[分担執筆],くろしお出版,2017年)他。
担当:第6章

高梨克也(たかなし かつや)
京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位取得退学。博士(情報学)。
滋賀県立大学人間文化学部・教授。
主要著作:『多職種チームで展示をつくる――日本科学未来館「アナグラのうた」ができるまで』[編著](ひつじ書房,2018年),『基礎から分かる会話コミュニケーションの分析法』(ナカニシヤ出版,2016),『インタラクションの境界と接続――サル・人・会話研究から』[共編著](昭和堂,2010年)
担当:第7章

坂巻哲也(さかまき てつや)
京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了。博士(理学)。
アントワープ王立動物学協会,アントワープ動物園基金,ロマコ・プロジェクト,コンサルタント。
主要著作:『新・動物記3:隣のボノボ――集団どうしが出会うとき』(京都大学学術出版会,2021年),「野生チンパンジーの「対面あいさつ」の記述分析」(『インタラクションの境界と接続――サル・人・会話研究から』[分担執筆],昭和堂,2010年)他。
担当:コラムF

幸田瑞希(こうだ みずき)b
日本女子大学大学院文学研究科修士課程修了。修士(文学)。
バーゼル大学大学院人文学社会科学研究科博士課程在籍。
主要著作:Human sociality in the times of the Covid-19 pandemic: A systematic examination of change in greetings.[共著](Journal of Sociolinguistics, 24(4),2020年),Doing paying during the Covid-19 pandemic[共著](Discourse Studies, 22(6),2020年),Language and body as resources for distributing orientation: The organization of participation in leaving the ongoing conversation.(Proceedings of the LREC 2018 Workshop “LB-ILR2018 and MMC2018 Joint Workshop”,2018年)他。
担当:第8章

居關友里子(いせき ゆりこ)
筑波大学大学院人文社会科学研究科博士課程修了。博士(言語学)。
国立国語研究所・プロジェクト非常勤研究員。
主要著作:「制度的場面における会話の終結に関する一考察――実習反省会の観察から」(『国立国語研究所論集』13, 2017年)他。
担当:第9章

園田浩司(そのだ こうじ)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程(5年一貫制)修了。博士(地域研究)。
京都大学アフリカ地域研究資料センター・機関研究員。
主要著作:『教示の不在――カメルーン狩猟採集社会における「教えない教育」』(明石書店,2021年),「バカ語話者にみられる発話の借用――「発話の権利」は普遍なのか」[共著](『発話の権利』[分担執筆],ひつじ書房,2020年),「森との向き合い方を学ぶ――カメルーンの狩猟採集民バカ(1)」(『子どもたちの生きるアフリカ――伝統と開発がせめぎあう大地で』[分担執筆],昭和堂,2017年)他。
担当:コラムG

藪田慎司(やぶた しんじ)b
京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学。理学博士。
帝京科学大学アニマルサイエンス学科・教授。
主要著作:「敵対的相互行為から「あいさつ」へ」(『動物と出会うⅠ――出会いの相互行為』[分担執筆],ナカニシヤ出版,2015年),「動物の信号行動とコミュニケーションの進化」(『言語と生物学』[分担執筆],朝倉書店,2010年),「ミスジチョウチョウウオのパートナー認知とディスプレイ」(『魚類の社会行動1』[分担執筆],海遊舎,2001年)他。
担当:第11章

武田浩平(たけだ こうへい)b
総合研究大学院大学先導科学研究科博士課程修了。博士(理学)。
大阪大学社会技術共創研究センター(ELSIセンター)・特任研究員(常勤)。
主要著作:『はじめてのフィールドワーク③ 日本の鳥編』[共著](東海大学出版部,2018年)他。
担当:コラムH

香田啓貴(こうだ ひろき)
京都大学大学院理学研究科博士後期課程中退。博士(理学)。
京都大学霊長類研究所・特定准教授。
主要著作:「霊長類学者は擬人化を超えて言語能力獲得の進化史に迫れるだろうか?」(『現代思想2016年12月号』,青土社,2016年)他。
担当: コラムI

岩谷洋史(いわたに ひろふみ)b
京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位取得退学。修士(人間・環境学)。
姫路獨協大学人間社会学群・講師。
主要著作:「仕事場における資源としてのインスクリプションの役割――酒蔵を事例として」(『ソシオロジ』53(1),2008年),「接触領域としての身体――酒蔵でのフィールドワークを通じての一考察」(『コンタクトゾーン』5,2021年)他。
担当:第12章

・第1刷・正誤表
出版にあたっては,誤字誤植等の無いよう細心の注意をはらっておりますが,以下の点においてミスが生じております。お手数をおかけいたしますが,修正していただけますようお願いいたします。

186頁2行目
誤)珍パンジー
正)チンパンジー

326頁22行目
誤)相原
正)合原

326頁31行目
誤)規則
正)規則性

328頁17行目
誤)相原
正)合原

329頁6行目
誤)起源
正)起原
はじめに
凡  例

第1部 出会いと挨拶の謎

01 出会いと挨拶――相互行為論的位置づけ(木村大治)

1 出会いと挨拶
2 「する」と「ある」の循環的関係
3 相互行為の起動

02 出会いを達成する「呼びかけ-応答」,状態の移行と関係を確認する「挨拶」(花村俊吉)

1 出会いの「宙ぶらりんさ」
2 出会いと「呼びかけ-応答」
3 共在の諸相と挨拶
4 「挨拶」による関係の確認・表明

コラムA 森を聞く/感じるバカ・ピグミー:ヒトの聴覚的な出会い/共在(彭 宇潔)
コラムB チンパンジーのパントフートを介した非対面下の出会いと朝晩の挨拶(花村俊吉)

第2部 定型的相互行為の認識と創発

03 霊長類における挨拶と集団生活(中村美知夫)

1 はじめに:何を「挨拶」とするのか
2 霊長類とその社会集団
3 霊長類研究に見る挨拶
4 「文脈としての挨拶」と「型としての挨拶」
5 「出会い」との関係
6 毛づくろい「ではない」社会交渉?
7 群れ生活と挨拶

04 相互行為は楽し――遊戯としての相互行為分析の可能性(牧野遼作)

1 日常相互行為における遊戯的側面に光を当てて
2 息子と母の「手合わせ」のやり方
3 息子と筆者の「手合わせ」:新参者に対する振る舞いの調整と独自性の維持
4 相互行為はそれ自体が楽しいという側面

05 出会っているのか,いないのか――チンパンジーの「出会いそこね」と「出会い直し」の技法(西江仁徳)

1 はじめに:出会うことの難しさ
2 空間的共在・出会い・相互行為の境界
3 野生チンパンジー社会における「出会い」
4 チンパンジーのジェスチャーによるコミュニケーション
5 チンパンジーの「リーフクリップ」行動
6 チンパンジーは実際にリーフクリップをどのように使っているのか
7 チンパンジーが「出会いそこねる」とき
8 アトラクター=呼びかけとしてのリーフクリップと「あいさつ」:つねに「出会いそこね」「出会い直し」続けること

コラムC 握手におけるラッパーたちのpoetics/politics(矢野原佑史)
コラムD 共に暮らすことから生まれるケアのかたち:ケニアにある障害者支援施設の入所者が繰り広げる相互行為(善積実希)
コラムE 内なる「他者」との出会い:憑依,シャーマニズム(岡田浩樹)

第3部 共在の諸相

06 「共鳴的共在」としての歯科診療の場(坂井田瑠衣)

1 はじめに
2 会話を始めること
3 歯科医院における「出会い」の様相
4 共鳴的共在:歯科医院における共在の様相

07 個体識別と匿名性(高梨克也)

1 はじめに:サル学における個体識別という習慣
2 近代社会と匿名性:社会学における古典的見解
3 現代社会における類型的出会い
4 成員カテゴリー化装置と匿名性
5 社会的スキーマ:社会心理学における認知的転回
6 脱埋め込みと再埋め込みの歴史

コラムF 出会いについての覚え書き:ワンバの森に棲むボノボの観察から  (坂巻哲也)

第4部 別れにおける相互行為

08 共在状態における会話からの離脱(幸田瑞希)

1 離脱:会話から抜けること
2 離脱するタイミングを見計らう
3 離脱を保留する
4 話しながら離脱する
5 「別れない」こととしての離脱

09 電話会話における別れ――別れがたさの理由(居關友里子)

1 はじめに:人と別れる際の難しさ
2 別れに関する先行研究
3 電話会話を締めくくる
4 電話会話の別れにおける葛藤
5 電話での別れと対面での別れ
6 おわりに

10 動物社会の共存の様態とあいさつ――挨拶せず別れるチンパンジー,挨拶せずには別れにくいヒト(花村俊吉)

1 動物の「あいさつ」とヒトの「挨拶」:ヒトに特有の別れの挨拶
2 あいさつと「関係の持続性」「個体識別」「別れと再会」
3 チンパンジーの別れと再会
4 別れの挨拶の有無と共存の様態

コラムG 生まれたときも死ぬときも別々だ(園田浩司)

第5部 出会いと挨拶の進化と極限

11 「あいさつ」の心理メカニズムと「ためらい」の進化(藪田慎司)

1 「敵対」と「友好」
2 動機づけメカニズム
3 動機づけの葛藤とディスプレイ
4 ペアパートナー間の「あいさつ」
5 「あいさつ」と動機づけの葛藤
6 「あいさつ」の進化と「ためらい」の進化:理論的考察
7 「挨拶/あいさつ」の本質
■ 補  論

コラムH 相互行為としてのタンチョウのダンス(武田浩平)
コラムI サルの「会話」(香田啓貴)

12 「見えないもの」の気配を知るための技術――酒造り現場での実践を事例として(岩谷洋史)

1 はじめに:重なり合う感覚
2 酒造りの概要
3 作り手らが出会うもの
4 酒造りに関わる書類
5 同じ時間に同じところでなるべく同じことをしようとする努力
6 おわりに:安定した実践に向けての試み

コラムJ ボンガンドの「投擲的発話」とツイッター(木村大治)

おわりに
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