メディアコミュニケーション学講義

記号/メディア/コミュニケーションから考える人間と文化

メディアコミュニケーション学講義

メディア・テクノロジーが急速に発達していくなかで、技術的環境はどう変わり、私たちと私たちの文化がどのように変容しているのか

著者 松本 健太郎
塙 幸枝
ジャンル テキスト
社会・文化  > 芸術・メディア
出版年月日 2019/05/15
書店発売日 2019/05/30
ISBN 9784779513589
判型・ページ数 A5 ・ 212ページ
定価 2,640円(税込)

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メディア・テクノロジーが急速に発達していくなかで、私たちを取り巻く技術的環境はどのように変化し、私たちと私たちの文化がどのように変容しているのか。記号・メディア・コミュニケーションを鍵にして変化を読み解くテキストブック。

人間にとってコミュニケーションは不可避のものであり、それを媒介するメディアなしに文化的活動を営むことはできない。このような前提に依拠して考えてみたとき、急速に変容しつつある技術的環境のなかで、「人間」のあり方は、そして、人間が生みだした「文化」のあり方はどのように移り変わりつつあるといえるだろうか。これこそが本書の出発点に設定された「問い」である。(「序」より)


●著者紹介

松本健太郎(まつもと けんたろう)
1974年生まれ。群馬県桐生市出身。国際基督教大学卒業後、京都大学大学院に進学し博士号(人間・環境学)を取得。専門領域は記号論・メディア論・映像論。

二松學舍大学都市文化デザイン学科教授。日本記号学会理事・第31回大会実行委員長、観光学術学会第7回大会実行委員長・将来構想検討委員、日本コミュニケーション学会理事・関東支部運営委員などをつとめる。著書に『ロラン・バルトにとって写真とは何か』(2014 ナカニシヤ出版)、『理論で読むメディア文化――「今」を理解するためのリテラシー』(2016 新曜社)、『越境する文化・コンテンツ・想像力――トランスナショナル化するポピュラー・カルチャー』(2018 ナカニシヤ出版)、『デジタル記号論――「視覚に従属する触覚」がひきよせるリアリティ』(2019 新曜社)などがある。
担当章:序・4・5・6・9・10・11

塙 幸枝(ばん ゆきえ)
1988年生まれ。東京都世田谷区出身。二松學舍大学卒業後、国際基督教大学大学院に進学し博士号(アーツ・サイエンス)を取得。専門領域はコミュニケーション学。

神田外語大学外国語学部国際コミュニケーション学科専任講師。日本コミュニケーション学会九州支部運営委員、日本記号学会評議員などをつとめる。著書に『障害者と笑い――障害をめぐるコミュニケーションを拓く』(2018 新曜社)、『グローバル社会における異文化コミュニケーション――身近な「異」から考える』(2019 三修社、共編著)などがある。
担当章:序・1・2・3・7・8・12
序  記号/メディア/コミュニケーションから理解する人間と文化  松本健太郎・塙 幸枝

第Ⅰ部 「コミュニケーション」から理解する人間と文化

1 人間にとってコミュニケーションとは何か――アンドロイドとのやりとりを題材に  塙 幸枝

 第一節 はじめに
 第二節 線形モデルとその限界
 第三節 「ふさわしさ」の恣意性
 第四節 コミュニケーションとは何か

2 お笑いの視聴における「(多様な)読み」は可能なのか――ホールのエンコーディング/デコーディング理論から  塙 幸枝

 第一節 はじめに
 第二節 お笑いを「正当に」読むということ
 第三節 現代的なバラエティ番組における「読み」の(不)可能性
 第四節 『バリバラ』における「支配的な位置」の不明瞭性と「対抗的な位置」への拒絶感
 第五節 結びにかえて

3 「良きオーディエンス」を演じるということ――インタラクティブ・アトラクションを題材に  塙 幸枝

 第一節 はじめに
 第二節 インタラクティブ・アトラクションにおける観客の役割
 第三節 スクリーンの向こう側
 第四節 相互監視による振る舞いの制御
 第五節 「良きコミュニケーション」を想定すること

4 ラーメン文化をめぐるコミュニケーションの行方――情報過剰から派生するその奇妙な共同性  松本健太郎

 第一節 はじめに――多様化するラーメン文化
 第二節 饒舌化するメディア――ラーメン情報のデータベース化
 第三節 差異化の手段としてのコミュニケーション
 第四節 結びにかえて

第Ⅱ部 「メディア」から理解する人間と文化

5 コミュニケーションにおけるメディアの作用――映画『山の郵便配達』を題材として  松本健太郎

 第一節 はじめに
 第二節 メディアの媒介作用
 第三節 メディアの延長作用
 第四節 メディアの想像作用(/創造作用)
 第五節 結びにかえて――デジタル化がもたらしつつあるもの

6 死に対する抵抗の営為――映画『世界の中心で、愛をさけぶ』を再考する  松本健太郎

 第一節 はじめに
 第二節 メディアによる時空意識の拡張
 第三節 死に対する抵抗
 第四節 メディアの代理性
 第五節 記憶の外部化と、データベース化

7 超音波写真と胎児のイメージ――記録としての医学写真から記憶としての家族写真へ  塙 幸枝

 第一節 はじめに
 第二節 写真と可視化
 第三節 医学写真としての超音波写真
 第四節 家族写真としての超音波写真
 第五節 結びにかえて

8 メディアによる伝統の再編――日高川町の「笑い祭」におけるオーセンティシティの諸相  塙 幸枝

 第一節 はじめに
 第二節 観光におけるオーセンティシティ
 第三節 「笑い祭」をめぐるオーセンティシティの問題
 第四節 メディアと観光地化
 第五節 結びにかえて

第Ⅲ部 「記号」から理解する人間と文化

9 反映画としての『インド夜想曲』――映画の記号世界と、その外部のロケ地との関係を題材として  松本健太郎

 第一節 はじめに
 第二節 同一映像の二重所属が意味するもの――本作品の流動性とメタフィクション性
 第三節 影を主人公とする物語――シュレミール氏の表象が意味するもの
 第四節 映画とロケ地との特異な関係性――本作品の非完結性をめぐって
 第五節 「旅する私」の二乗――映画館とその外部への誘い
 第六節 結びにかえて――反映画としての『インド夜想曲』

10 言語と写真――ロラン・バルトの『明るい部屋』における時間遡行の意義  松本健太郎

 第一節 はじめに
 第二節 言語とイメージ
 第三節 写真における「言語の外部」
 第四節 「温室の写真」
 第五節 写真と時間
 第六節 結びにかえて

11 現代における「意味の帝国」としてのショッピングモール――その記号空間の組成を考える  松本健太郎

 第一節 はじめに――ショッピングモールの意味空間
 第二節 「意味の帝国」としてのイオンレイクタウン
 第三節 来訪者の振る舞いを制御するテクノロジー
 第四節 ショッピングモールにおける情報認知のモード
 第五節 結びにかえて

12 ショッピングモールにおける記号としてのユニバーサルデザイン――「すべての人々」をめぐる同化と異化の装置  塙 幸枝

 第一節 はじめに
 第二節 イオンレイクタウンにおける記号としてのユニバーサルデザイン
 第三節 「すべてのお客様」が意味すること――カテゴライズの問題
 第四節 「すべてのお客様」が意味すること――市場における「共生」のスローガン
 第五節 結びにかえて

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