ホーム > 技術の倫理

技術の倫理  新刊

技術を通して社会がみえる

技術の倫理

狭い意味での技術者のみならず「高度な技術を利用する者」である全ての現代人に向けて書かれた、「技術倫理学」の入門テキスト

著者 鬼頭 葉子
ジャンル テキスト
哲学・倫理 > 倫理学
出版年月日 2018/11/10
ISBN 9784779513138
判型・ページ数 A5・212ページ
定価 本体2,300円+税
 

目次

はじめに

 1 本書の目的
 2 本書の特徴
 3 技術者倫理を学ぶ意義
 4 本書の構成
 5 本書の使い方

第1章 なぜ技術者に倫理学が必要なのか?

 1 専門職の倫理としての技術者倫理(engineering ethics)
 2 技術者にはどのような責任があるのか
 3 技術に内在する倫理的課題
 4 倫理学を学ぶ目的
 まとめ
 それでも残る問い~発展学習~

第2章 私たちはなぜ正しいことをしなければならないのか?
――プラトンと正義――

 1 「正しさ」についての問い
 2 人間が生きるのは何のため?
 3 人間は正義など求めていない?
 4 「正しさ」の基準
 まとめ
 それでも残る問い~発展学習~

第3章 人間は何を目指して生きるのか?
――アリストテレスと幸福――

 1 皆、何を目指して生きている?
 2 善い人とは、どのような人だろうか?
 3 ちょうどよいのは真ん中
 4 人間は幸福を目指すのか? 正義を目指すのか?
 まとめ
 それでも残る問い~発展学習~

第4章 人間は幸福になるため、正しい行為をするわけではない?
――カントと道徳法則――

 1 幸福を目指すことは正しくない?
 2 義務論
 3 道徳法則の形式――定言命法
 4 道徳法則の内容――格律の普遍化
 5 道徳法則の内容――人格の尊重
 6 適法性と道徳性
 まとめ
 それでも残る問い~発展学習~

第5章 正しさは幸福の量で決められる?
――ベンサムと功利主義――

 1 近代人と功利主義
 2 功利主義における「平等な配慮」という特徴
 3 社会政策における功利主義の可能性と限界
 4 工学的判断と功利主義――フォード社「ピント」事件
 5 そもそも、幸福とは何だろうか?
 まとめ
 それでも残る問い~発展学習~

第6章 幸福と自由は両立するか?
――ミルと自由主義――

 1 「自由」と「幸福」の関係
 2 消極的自由と積極的自由
 3 自由と安全の関係
 4 現代人と自由――技術の「非決定性」と「他者性」
 まとめ
 それでも残る問い~発展学習~

第7章 自由と平等は両立するか?
――ロールズと正義論,ノージックと自由至上主義,マッキンタイアと共同体主義――

 1 「自由」と「平等」の関係
 2 功利主義と平等な顧慮
 3 人間は何を持っているか
 4 正義にかなった社会
 5 所有物に関する権原の問題
 6 正当な社会とは?
 まとめ
 それでも残る問い~発展学習~

第8章 ビジネスは誰のためか?
――技術とビジネス,グローバルな正義――

 1 企業の目的は何か?
 2 技術と市場
 3 技術開発と外部環境
 4 市場への信頼
 5 アマルティア・センの経済学
 6 国境を超える技術――「法人税のパラドクス」の終焉
 7 グローバルな正義
 まとめ
 それでも残る問い~発展学習~

第9章 技術が社会を変えるのか? 社会が技術を変えるのか?
――技術と政治、技術と社会的多様性――

 1 人工物による私たちへの生活への影響
 2 技術が社会を変えるのか? 社会が技術を変えるのか?
 3 障がいと公共空間
 4 ユニバーサルデザインの可能性
 5 人工物と政治社会
 まとめ
 それでも残る問い~発展学習~

第10章 戦争は技術を進化させるのか?
――技術と軍事開発――

 1 デュアルユースの事例
 2 戦争と技術開発――2度の世界大戦と科学者たち
 3 核物理学とマンハッタン計画
 4 技術者は人工物に対してどこまで責任を持つか?
 5 技術は「中立」のものだろうか?
 まとめ
 それでも残る問い~発展学習~

第11章 人工知能は人間の将来を変えるか?
――AI技術と人間の社会――

 1 人工知能の出現とその展開
 2 ディープラーニング
 3 人間の特質とは何か?
 4 AIが社会を変える?
 まとめ
 それでも残る問い~発展学習~

第12章 水俣病の悲劇から何を学ぶか?
――技術者の責任と公害――

 1 「公害」とは
 2 水俣病の発生の経緯
 3 水俣病の原因究明の経緯
 4 水俣病に関する訴訟と法整備
 5 予防原則の重要性
 6 予防原則の先へ
 まとめ
 それでも残る問い~発展学習~

第13章 私たちは誰に配慮しなければならないのだろうか?
――生態系と人間――

 1 くまモンは九州にはいない!?
 2 人間の技術は自然環境を変える
 3 環境倫理学の系譜
 4 動物の権利、動物の解放
 5 生命中心主義
 6 生態系中心主義
 まとめ
 それでも残る問い~発展学習~

第14章 私たちは将来世代に責任を負うのだろうか?
――技術と世代間倫理――

 1 「持続可能性」は誰のため?
 2 将来世代への責任――人間はなぜこの先も存在し続けなければならないのか?
 3 10万年後の安全?――核廃棄物の問題
 4 異なる世界の人々に対するグローバルな責任
 まとめ
 それでも残る問い~発展学習~

第15章 生命の始まりと終わりを技術が決める?
――医療と技術――

 1 医療と技術
 2 生命の終わりに関する医療技術
 3 生命の始まりに関する医療技術
 4 医療技術の高度化がもたらす問題
 5 医療技術と倫理学
 まとめ
 それでも残る問い~発展学習~



あとがき
 人名索引
 事項索引

 【コラム】
 
 アリストテレスと自然学
 刑罰の思想
 世界の戦争は終わらない:アフガニスタンの悲劇
 「ミナマタ」を世界に伝えたユージン・スミス
 あなたの足跡のサイズは?:エコロジカル・フットプリント



このページのトップへ

内容説明

「正しい技術者であるために守るべきことは?」「科学技術から利益を得ている私たちが考えるべきことは?」…。狭い意味での技術者のみならず、「高度な技術を利用する者」である全ての現代人に向けて書かれた、「技術倫理学」の入門テキスト


●著者紹介
鬼頭葉子(きとう・ようこ)
 2000年 東京大学文学部卒業
 2007年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定
 2010年 博士号取得(文学)(京都大学)
 現在 長野工業高等専門学校一般科准教授。京都大学大学院文学研究科応用哲学・倫理学教育研究センター研究員。キリスト教学・宗教哲学・倫理学専攻
 著作 『時間と空間の相克――後期ティリッヒ思想再考』(ナカニシヤ出版,2018年),“The Metaphysical Background of Animal Ethics and Tourism in Japan,”in Tourism Experiences and Animal Consumption, Contested Values, Morality and Ethics, ed. Carol Kline, Routledge,「チャールズ・テイラーの超越概念――宗教と政治性」(『アルケー』24,2016年),他

このページのトップへ