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世代継承性研究の展望  新刊

アイデンティティから世代継承性へ

世代継承性研究の展望

次世代はどのように生まれ,育成されるのか。心理社会的課題である世代継承性に関する国内外の研究を網羅し,その動向を展望する労作

著者 岡本 祐子 編著
上手 由香 編著
髙野 恵代 編著
ジャンル 心理学
シリーズ 心理学 > 世代継承性シリーズ
出版年月日 2018/10/10
ISBN 9784779513084
判型・ページ数 A5・496ページ
定価 本体5,800円+税
 

目次

序 世代継承性研究へのいざない[岡本祐子]

第Ⅰ部 世代継承性をとらえるヴィジョンと射程
第1章 21世紀のアイデンティティと世代継承性―その視点と課題―[岡本祐子]
 1.「世代継承性」の意味するところ
 2.現代社会における「アイデンティティ」と「世代継承性」
 3.専門家アイデンティティの生成と世代継承性
 4.現代社会におけるアイデンティティ発達と世代継承性の「根」「幹」は何か―現代社会の心の発達を支えるErikson の智慧―
 5.世代をつなぐあり方
 6.世代を超えたアイデンティティ―アイデンティティの世代継承―

第2章 Erikson の「ジェネラティヴィティ」概念の基盤―精神分析理論とErikson の人生― [鑪幹八郎]
 1.Erikson のライフサイクルの概念
 2.Erikson の発達的危機について
 3.成人の危機としての「ジェネラティヴィティ」
 4.用語の問題
 5.世代のサイクルについて
 6.娘Sue と三男Neil の問題

第3章 意味構成の「ジェネラティヴィティ」[森岡正芳]
 1.ジェネラティヴィティをとらえる基本軸
 2.ジェネラティヴィティの危機
 3.ジェネラティヴィティと物語
 4.会話の中のジェネラティヴィティ

第4章 世代継承性が意味するものとそれを可能にするもの[大野久]
 1.世代継承性とは
 2.歴史的アイデンティティの観点から見た世代継承性
 3.世代継承性に類似した概念
 4.漸成発達理論の主題の意味するもの
 5.なぜ世代継承性が可能となるのか
 6.どのように世代継承性は形成されるのか

第5章 Erikson の人生と生成継承性[やまだようこ]
 1.Erikson のことばとナラティヴ(もの語り)
 2.生成継承性とは
 3.親に捨てられた子ども,親を捨てて親になった子ども
 4.親のウソに傷つく子ども:Sam の事例
 5.Erikson の子どもたち:3人の子とダウン症の「Neil」
 6.親のウソと両価性:親のウソに傷つく子どもたち
 7.Gandhi の伝記と親子の負の世代循環サイクル
 8.もの語りの語り直しと生成継承性

第6章 ライフサイクルの「はめば歯車」とトラウマの世代継承―Eriksonの人生と仕事の省察―
The “Cogwheeling” of life cycles and the transmission of trauma : Reflections on Erik Erikson’s life and work [M. Gerard Fromm]
 1.Relationships between Generations
 2.The Trauma of 9/11 and its Transmission
 3.A Clinical Story from Berlin
 4.Identity Crisis and Family Tragedy
 5.The Search for a Father

第Ⅱ部 世代継承性研究の動向と展望
第1章 Erikson の世代継承性の理論・概念の検証[岡本祐子・大野久]
 1.Erikson の世代継承性理論・概念の検討
 2.McAdams による世代継承性に関する研究

第2章 高齢期・定年退職期の世代継承性[宇都宮博・渡邉照美]
 1.高齢期・定年退職期の発達と世代継承性
 2.家族内役割と世代継承性
 3.家族の枠を超えた対人的なつながりと世代継承性
 4.社会的活動と世代継承性
 5.まとめ

第3章 成人期の世代継承性[平石賢二・上手由香・井川ひとみ]
 1.成人期の発達と世代継承性
 2.家族と世代継承性
 3.成人期のさまざまな要因と世代継承性の関連
 4.その他
 5.まとめと今後の課題

第4章 青年期の世代継承性[杉村和美]
 1.青年期の世代継承性とは何か
 2.青年期の世代継承性はどのような経験を通して発達するのか
 3.大人は青年の世代継承性をどのように育むのか
 4.まとめと今後の展望

第5章 キャリアと世代継承性[児玉真樹子]
 1.仕事に対する動機づけ・意味づけ・ニーズと世代継承性
 2.専門家と世代継承性
 3.ボランティア活動と世代継承性
 4.リーダーシップと世代継承性
 5.メンタリングと世代継承性
 6.その他
 7.まとめと今後の課題

第6章 世代継承性に関する臨床的研究[奥田紗史美・髙野恵代]
 1.心の病と世代継承性
 2.身体の病と世代継承性
 3.危機からの回復と世代継承性
 4.メンタルヘルス・心理療法と世代継承性
 5.まとめと今後の課題

第7章 世代継承性の民族的研究[杉岡正典]
 1.民族的・文化的アイデンティティと世代継承性
 2.アフリカ系アメリカ人の世代継承性
 3.民族と女性の世代継承性
 4.高齢者の民族性と世代継承性
 5.特定の民族の独自性から見た世代継承性
 6.その他の世代継承性の民族的研究
 7.まとめと今後の課題

第8章 セクシュアリティ,ジェンダーと世代継承性[松髙由佳]
 1.セクシュアル・マイノリティ(LGBT)と世代継承性
 2.ジェンダーと世代継承性
 3.その他
 4.まとめと今後の課題

第9章 我が国における世代継承性研究の動向と展望[神谷真由美]
 1.世代継承性の概念と尺度開発
 2.高齢期の世代継承性
 3.成人期の世代継承性
 4.青年期の世代継承性
 5.キャリアと世代継承性
 6.家族と世代継承性
 7.その他
 8.まとめと今後の課題

第10章 世代継承性に関する文献一覧* [上手由香・岡本祐子・髙野恵代]
 1.外国における世代継承性文献一覧
 2.日本における世代継承性文献一覧
(Website http : //www.nakanishiya.co.jp/)


あとがき[岡本祐子]
執筆者一覧
索引

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内容説明

世代継承性を穿つ珠玉の論考と研究への導き。この分野の内外の論文417件を厳選して解題した労作。その射程は,エリクソンの理論,ライフサイクル,キャリア形成,臨床,民族,セクシュアリティ・ジェンダーに及ぶ。


「「世代継承性」は,その概念や対象のいずれもエッジの利かない,つまり研究の範囲が定まりにくい領域である。「アイデンティティ」は,明確な「境界」を意識した概念であるのに対して,「世代継承性」は,上の世代や次世代とどうつながり関わるかが問題となるため,無限の広がりを持つと言っても過言ではない。そして,その多くがまだ未解明の領域である。本書が,「世代継承性」研究の端緒となり,ライフサイクル研究にとって多くの手がかりを提供するものになれば幸いである。」(序より)


※「世代継承性に関する文献一覧」のアップロードにつきましてはいましばらくお待ちください。



■編者紹介
岡本祐子(おかもとゆうこ)
広島大学大学院教育学研究科教授,教育学博士,臨床心理士

上手由香(かみてゆか)
広島大学大学院教育学研究科准教授,博士(心理学),臨床心理士

髙野恵代(たかのやすよ)
愛知淑徳大学心理学部講師,修士(心理学),臨床心理士

■執筆者一覧
序 岡本祐子(広島大学)

第Ⅰ部
第1章 岡本祐子
第2章 鑪幹八郎(広島大学名誉教授)
第3章 森岡正芳(立命館大学)
第4章 大野久(立教大学)
第5章 やまだようこ(立命館大学)
第6章 M. Gerard Fromm(Austen Riggs Center)

第Ⅱ部
序 岡本祐子
第1章
1.岡本祐子
2.大野久、三好昭子(日本女子体育大学)、茂垣まどか(立教大学)、今井美智子(立教大学)、赤木真弓(立教大学)
第2章
1.4.宇都宮博(立命館大学)
2.3.渡邉照美(佛教大学)
第3章
1―1,1―2.平石賢二(名古屋大学)
1―3.上手由香(広島大学)、木谷智子(エリザベト音楽大学)
2. 井川ひとみ(前香川大学)
3―1,3―2.日潟淳子(姫路大学)
3―3. 石川智子(前名古屋大学)
4―1,4―2.日潟淳子
4―3. 森田修平(広島大学)、髙野恵代(愛知淑徳大学)
4―4. 神谷真由美(比治山大学)
5. 上手由香
第4章 杉村和美(広島大学)、徳岡大(高松大学)、西田若葉(宮崎産業経営
大学)、日原尚吾(広島大学)、梶山希見(前広島大学)、金龍熙(前広島大学)
第5章
1.児玉真樹子(広島大学)
2.新見直子(広島文教女子大学)、児玉真樹子、森田修平、髙野恵代
3.森田修平
4.新見直子
5.児玉真樹子
6.児玉真樹子、森田修平
7.児玉真樹子
第6章
1.2.奥田紗史美(大阪教育大学)、髙野恵代
3.池田龍也(広島文化学園大学)
4.高田純(香川大学)
5.奥田紗史美
第7章 杉岡正典(名古屋大学)
第8章 松髙由佳(比治山大学)
第9章 神谷真由美
第10章 上手由香、髙野恵代、岡本祐子
あとがき 岡本祐子

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