ホーム > 時間と空間の相克

時間と空間の相克  新刊

後期ティリッヒ思想再考

時間と空間の相克

預言者的精神から特定の空間への執着を批判し、時間における新たなものの到来を待ち望んだ神学者、ティリッヒの歴史哲学を読解。

著者 鬼頭 葉子
ジャンル 哲学・倫理 > 哲学
出版年月日 2018/04/15
ISBN 9784779512384
判型・ページ数 A5・336ページ
定価 本体5,400円+税
 

目次

 序――現代におけるティリッヒ思想の意義――

第1章 ティリッヒ研究の現状および本書の目的と方法
 
 1 ティリッヒ研究の現状
 
 2 本書の問題設定と方法論
 
 3 本書における「存在論」・「歴史論」の扱いについて 

第2章 後期ティリッヒ思想における「近代」という時代
 
 1 近代人/近代批判者としてのティリッヒ
    ――時間・空間概念の重要性――
 
 2 近代における神学の危機
    ――理性と神学の相克――
 
 3 ティリッヒの考える近代の課題について
    ――歴史と共同体における変化――

第3章 後期ティリッヒ思想における「共同体」の構造
 
 1 ティリッヒの共同体概念
    ――後期ティリッヒ思想に至る発展過程――

 2 後期ティリッヒ思想における共同体とは何か
    ――『組織神学』を中心に――

 3 霊の機能と霊的共同体

 4 霊的共同体の普遍性

第4章 後期ティリッヒ思想における「共同体」の諸問題

 1 共同体においていかに人格は成立するか
    ――個人の行為と倫理――

 2 道徳的行為の基準は何か
 
 3 個人の道徳と共同体の正義

第5章 後期ティリッヒ思想の「歴史」の構造

 1 歴史論の発展的考察と後期歴史論の重要性について

 2 後期ティリッヒ思想の歴史論
    ――『組織神学』第三巻を中心に――

第6章 後期ティリッヒ思想における歴史の諸問題

 1 後期ティリッヒ思想における歴史についての問い

 2 神の国における時間と空間の位置づけ

第7章 結語

 1 後期ティリッヒ思想の特性
 
 2 後期ティリッヒ思想の再評価

 3 後期ティリッヒ思想の行方



【補論】「時間」と「空間」をめぐる比較研究


【比較研究1】 ティリッヒとカント
         ――道徳と宗教のあいだ――

 1 はじめに
 
 2 ティリッヒとカントの接点

 3 倫理的命法の無制約性の由来
    ――カント――

 4 道徳命法の無制約性の由来
    ――ティリッヒ――

 5 ティリッヒとカントの差異

 6 結びと今後の展望

【比較研究2】 死、その由来とその向こう
         ――ティリッヒ、モルトマン、ハイデガー、ジャンケレヴィッチ――

 1 はじめに
 
 2 後期ティリッヒ思想における死の位置づけ
    ――自然の死/さばきによる死――

 3 後期ティリッヒ思想における死の思考
    ――此岸における死/彼岸における死――

 4 まとめ

【比較研究3】 西谷啓治とパウル・ティリッヒの歴史理解
         ――「空」と「カイロス」――

 1 はじめに
 
 2 西谷とティリッヒに関する比較研究の概観

 3 西谷の「時」概念

 4 西谷とキリスト教的歴史観

 5 西谷の歴史観
    ――空としての歴史――

 6 ティリッヒの歴史観

 7 ニヒリズムの克服としての歴史観とその行方

 8 結び

【比較研究4】 宗教と倫理の関わり
         ――ティリッヒとデリダの正義論、ロヴィンのキリスト教倫理を手がかりに――

 1 はじめに
 
 2 ロヴィンによるキリスト教思想と社会の関係についての類型

 3 ティリッヒ思想における宗教と社会との関係

 4 「法外さ」
    ――ティリッヒとデリダの比較――
 
 5 結び



あとがき

参考文献一覧

事項索引

人名索引

このページのトップへ

内容説明

「われわれは時間のため、未来のために、われわれを包む空間をくり返し去らねばならない――」。預言者的精神をもって特定の空間への執着を批判し、時間における新たなものの到来を待ち望んだ神学者、パウル・ティリッヒの歴史哲学を読み解く。



●著者紹介
鬼頭葉子(キトウ・ヨウコ)
 2000年 東京大学文学部卒業。
 2007年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定。
 2010年 博士号取得(文学)(京都大学)。
 現 在 長野工業高等専門学校一般科准教授。京都大学大学院文学研究科応用哲学・倫理学教育研究センター研究員。キリスト教学・宗教哲学・倫理学専攻。
 著 作 「チャールズ・テイラーの超越概念――宗教と政治性」(『アルケー』24, 2016年),「動物倫理とフェミニズム」(『長野工業専門学校紀要』50, 2016年),「ティリッヒとカント――道徳と宗教のあいだ」(『キリスト教学研究室紀要』14, 2016年), 他。

このページのトップへ