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法の支配のヒストリー  新刊

法の支配のヒストリー

最新の研究を踏まえ,16世紀後半から20世紀前半のイギリス,18世紀後半から20世紀半ばのアメリカの法の支配の歴史をひも解く

著者 戒能 通弘
ジャンル 法律・政治 > 法哲学・政治思想
出版年月日 2018/02/28
ISBN 9784779511813
判型・ページ数 A5・288ページ
定価 本体4,300円+税
 

目次

序 『 法の支配のヒストリー』が目指すもの(戒能通弘)

第1章 サー・エドワード・クックと法の支配
(Sir Edward Coke and the Rule of Law)
(マイケル・ロバーン/戒能通弘[訳])
1 はじめに
2 「正義と平和は,王権のみに属する」
3 「法が国王を創る」
4 管轄権についての論争
5 国家的理由
6 おわりに 

第2章 クック,ホッブズ,ブラックストーンと法の支配:
国会主権の確立と国王大権(戒能通弘)
1 はじめに  
2 クックのボナム医師事件判決と法の支配 
3 国王大権と国会主権:ホッブズとブラックストーン 
4 おわりに 

コラム①:クックのボナム医師事件をめぐる解釈の変遷 


第3章 正義の魂:ベンサムとパブリシティ,法と法の支配
(The Soul of Justice:Bentham on Publicity, Law, and the Rule of Law)
(ジェラルド・ポステマ/戒能通弘[訳])
1 はじめに 
2 パブリシティとその所産 
3 パブリシティと法の支配 
4 おわりに 

第4章 ダイシーと法の支配:形式性の背後面にある規範秩序(内野広大)
1 はじめに
2 国制における習律の位置づけ:独立した規範カテゴリとしての習律
3 憲法と習律の相互連関 
4 おわりに

第5章 マーシャル・コートと法の支配:違憲審査制と最高裁判所の原型(原口佳誠)
1 はじめに
2 違憲審査制の成立:マーベリー対マディスン事件
3 個人の権利の保障:契約の自由と自然権思想  
4 司法の独立:裁判官の専門性と客観性  
5 アメリカ社会と合衆国最高裁判所:違憲審査制の受容
6 人民立憲主義:法の支配への問い  
7 おわりに 

コラム②:マーシャル・コート研究の軌跡 

第6章 「 統治」の法としての憲法と「法の支配」:
ケント,ストーリーと初期アメリカ憲法学における「法の支配」の思想的起源(大久保優也)
1 はじめに 
2 思想的基礎 
3 「 法の支配」と憲法解釈:ストーリーの『合衆国憲法釈義』における「法の支配」
4 判例:「商業社会」の法
5 おわりに

第7章 ロックナー判決と法の支配(清水 潤)
1 はじめに 
2 アングロ・サクソニズム,歴史法学,古典的コモン・ロー理論
3 修正14条の成立と連邦憲法構造の変動 
4 コモン・ロー上の自由と憲法上の自由 
5 コモン・ローの正統性の剥奪と制定法による社会の変革へ
6 おわりに

コラム③:ロックナー判決の解釈の変遷

第8章 岐路に立つ法の支配(椎名智彦)
1 はじめに 
2 リアリズム法学の文脈・再論
3 包摂的デモクラシーの時代:ニュー・ディールからウォーレン・コートへ
4 プロセス学派の視角
5 おわりに 

コラム④:リアリズム法学のリアリティ

あとがき

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内容説明

法の支配をめぐるさまざまな思想を検討するために――
最新の海外の研究を踏まえ,16世紀後半から20世紀前半のイギリス,そして,18世紀後半から20世紀半ばのアメリカにおける法の支配の歴史をひも解く


「法の支配」は,昨今の日本では,「立憲主義」と関連させ,大いに議論されているテーマである。同じくアメリカやイギリスにおいても,対テロ戦争の立法が,法の支配を侵害しているのではないかといったコンテクストなどで,その意味内容についてさまざまな議論が提示されている。……しかしながら,法の支配の伝統全体を扱いつつ,そこにおいて重要な役割を果たした法律家や思想を詳細に検討している著書,そして,法の支配をめぐるさまざまな思想を比較できるような著書は……ここしばらくは公刊されていないのではないだろうか。(本文より)



執筆者紹介(執筆順,* は編者)

戒能通弘*(かいのう みちひろ)
1970 年生まれ。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス大学院LL.M. 課程修了。同志社大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。同志社大学法学部教授。イギリス法思想史専攻。『ジェレミー・ベンサムの挑戦』(深貝保則と共編著,ナカニシヤ出版,2015 年),『近代英米法思想の展開-ホッブズ=クック論争からリアリズム法学まで』(ミネルヴァ書房,2013 年),『世界の立法者,ベンサム-功利主義法思想の再生』(日本評論社,2007 年)他。
執筆箇所:序・第1章翻訳・第2章・第3章翻訳

マイケル・ロバーン(Michael Lobban)
1962 年生まれ。Professor of Legal History, London School of Economics and Political Science.(ed.)Henry Home, Lord Kames, Principles of Equity(Liberty Fund, 2014); A History of the Philosophy of Law in the Common Law World, 1600-1900(Springer, 2007); The Common Law and English Jurisprudence, 1760-1850( Clarendon Press, 1991),etc.
執筆箇所:第1章

ジェラルド・ポステマ(Gerald Postema)
1948年生まれ。Cary C. Boshamer Distinguished Professor of Philosophy and Professor of Law, University of North Carolina at Chapel Hill.(ed.)Matthew Hale: On the Law of Nature, Reason,and Common Law: Selected Jurisprudential Writings(Oxford University Press, 2017); Legal Philosophy in the Twentieth Century: The Common Law World(Springer, 2011); Bentham and the Common Law Tradition(Clarendon Press, 1986),etc.
執筆箇所:第3章

内野広大(うちの こうだい)
1982年生まれ。京都大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。三重大学人文学部
法律経済学科准教授。日英比較憲法学専攻。「習律の理論的根拠についての一考察(1)~(3・完)―イギリスにおける「多元論」の憲法概念に関する論争を手がかりに」(『法学論叢』第172巻2号,第173巻3号,5号,2012 年,2013 年),「憲法と習律(1)~(3・完)―Dicey 伝統理論と「議会主権論」の基底にあるもの」(『法学論叢』第166巻3号,第167巻1号,4号,2009年,2010 年)他。
執筆箇所:第4章

原口佳誠(はらぐち よしあき)
1979年生まれ。早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程満期退学。修士(法学)。関東学院大学法学部専任講師。英米法・憲法専攻。『人権保障の現在』(共著,ナカニシヤ出版,2013 年),「公正な裁判をめぐるアメリカ法―司法による手続的権利の保障と民主主義」(『比較法研究』第74号,2012年),「アメリカにおける裁判官公選制とデュー・プロセス」(『比較法学』第45巻3
号,2012年)他。
執筆箇所:第5章

大久保優也(おおくぼ ゆうや)
1977年生まれ。早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。千葉商科大学政策情報学部専任講師。比較法専攻。「草創期合衆国憲法における「憲法秩序」の構想(1)~(4・完) ―ケント,ストーリーと初期合衆国憲法の政治経済思想的基礎」(『早稲田大学大学院法研論集』第146 号,第147 号,第148 号,第149 号,2013 年, 2014 年)他。
執筆箇所:第6章

清水 潤(しみず じゅん)
1983年生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校LL.M. 課程修了。崇城大学総合教育センタ
ー准教授,米国テネシー州弁護士。憲法専攻。『展開する立憲主義』(共著,敬文堂,2017 年),「19世紀後期アメリカの憲法論に対するコモン・ローの影響について」(『法哲学年報』2015号,2016 年),Common Law Constitutionalism and Its Counterpart in Japan(Suffolk Transnational
Law Review, vol. 39, 2016)他。
執筆箇所:第7章

椎名智彦(しいな ともひこ)
1976 年生まれ。中央大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。修士(法学)。青森中央学院大学経営法学部准教授。英米法専攻。「現代アメリカ法におけるプロセス的視座の諸相」(『青森法政論叢』第18 号,2017 年),「法道具主義再考」(『法の理論』第35 号,2017 年),「フラー解釈の新局面―法システムを支える人間像」(『法哲学年報』2014 号,2015 年)他。
執筆箇所:第8章

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