シュタイナー教育思想の再構築

その学問としての妥当性を問う

シュタイナー教育思想の再構築

人智学的認識論を考察の軸に,その教育思想の全体構造と学理論的な妥当性を明らかに。シュタイナー教育の理論と実践を架橋する。

著者 衛藤 吉則
ジャンル 教育・語学・文学  > 教育学
出版年月日 2018/02/10
書店発売日 2018/02/10
ISBN 9784779511981
判型・ページ数 A5 ・ 320ページ
定価 5,280円(税込)

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神秘主義のベールを剥ぎ,教育思想としての核を掴む。
人智学的認識論を考察の軸に,シュタイナー教育思想の全体構造と学理論的な妥当性を解明。
シュタイナー教育の理論と実践の架橋に向けた貴重な探究の書。


●著者紹介
衛藤吉則(えとう・よしのり)
1961年 福岡県生まれ。
1985年 広島大学文学部哲学科倫理学専攻卒業。
1994年 広島大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。
現 在 広島大学大学院文学研究科教授(教育学博士)。
著 書 『松本清張にみるノンフィクションとフィクションのはざま――「哲学館事件」(『小説東京帝国大学』)を読み解く』(御茶の水書房,2015年),『西晋一郎の思想――広島から「平和・和解」を問う』(広島大学出版会,2017年),『教育と倫理』〈人間論の21世紀的課題6〉〔共著〕(ナカニシヤ出版,2008年),『教育』〈岩波応用倫理学講義6〉〔共著〕(岩波書店,2005年),『仙厓』〔共著〕(西日本新聞社,1998年),他。
はじめに

第一章 シュタイナー教育思想の成立背景と実践的特徴
 一 成立の背景
 二 自由への教育・教育術としてのシュタイナー教育
 小括

第二章 教育学におけるシュタイナー教育思想の位置
 一 シュタイナー教育思想理解の視座と改革教育的要素
 二 精神科学的教育学の多様な射程とシュタイナー教育の位置づけ
 小括

第三章 シュタイナー教育思想をめぐる科学性論議
 一 争点としての人智学的認識論
 二 ドイツにおける科学性論議
 三 論争の成果と人智学的認識論の構造解明に向けた視点
 小括

第四章 認識論的取り組みとその原点
 一 シュタイナーの哲学著作
 二 可視の事物と不可視な本質との総合
    ――認識論探究の原点としてのカント哲学とその克服――
 三 総合の鍵としての「主体変容(メタモルフォーゼ)論」
    ――ゲーテ的自然認識の受容と克服――
 小括

第五章 人智学的認識論の構築に向けた「哲学」的格闘
 一 意志と表象の総合
    ――E・v・ハルトマンの超越論的実在論との対決――
 二 自己意識の展開
    ――フィヒテの自我論の受容と克服――
 三 精神と自由の獲得に向けた具体的普遍の構図
    ――ヘーゲルの認識論の受容と克服――
 小括

第六章 人智学認識論の構造と読み解きのパラダイム
 一 シュタイナー的一元論の構造
 二 現代的意義と読み解きのパラダイム
 三 新たなる“Wissenschaft(科学・学問)”論の可能性
 小括

おわりに

補論 戦前の日本におけるシュタイナー教育思想の受容

補論1 日本における影響と教育学上の位置づけ
 一 日本で最初のシュタイナー教育思想紹介者
    ――隈本有尚・吉田熊次――
 二 日本における積極的展開者
    ――谷本富・入澤宗壽――
 三 その他の人物

補論2 シュタイナー教育思想とナショナリズムとの分岐点
     ――入澤論との比較を通して―― 
 一 一九二〇‐三〇年代におけるわが国教育学の一傾向としての文化教育学
 二 入澤宗壽の文化教育学の成立
 三 入澤宗壽の文化教育学の構造とナショナリズム
 四 入澤的文化教育学とナショナリズムとの分岐点
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