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質的研究のための理論入門  新刊

ポスト実証主義の諸系譜

質的研究のための理論入門

質的研究を生み出すさまざまな理論的系譜について、考え方、基本的概念、研究事例、そして批判点についても的確かつ明快に解説する。

著者 プシュカラ・プラサド
箕浦 康子 監訳
ジャンル 心理学 > 方法論
社会・文化
出版年月日 2018/01/30
ISBN 9784779512230
判型・ページ数 A5・376ページ
定価 本体3,800円+税
 

目次

原著者の謝辞

01 技(わざ)としての質的研究:ポスト実証主義の諸系譜と研究スタイル(町惠理子[訳])

1 質的研究をおこなう場合のジレンマ  
2 技としての質的研究:研究の諸系譜とスタイル 
3 本書について 


Ⅰ 解釈的アプローチの系譜

02 シンボリック相互作用論:自己と意味を求めて(浅井亜紀子[訳])

1 シンボリック相互作用論への哲学的影響
2 シンボリック相互作用論の中心概念  
3 シンボリック相互作用論学派の研究例 
4 シンボリック相互作用論における論争と新たな方向性

03 解釈学:テクストの解釈(山下美樹[訳])

1 解釈学の哲学 
2 解釈学派の中心概念 
3 解釈学派の研究例  

04 ドラマツルギーとドラマティズム:劇場・舞台としての社会生活(伊佐雅子[訳])

1 ドラマツルギーの哲学的先駆者たち 
2 アーヴィング・ゴフマンとドラマツルギー
3 ドラマツルギー学派の研究例 
4 ケネス・バークとドラマティズムの哲学
5 ドラマティズム学派の中心概念
6 ドラマティズム学派の研究例

05 エスノメソドロジー:日常生活の成り立ち(時津倫子[訳])

1 エスノメソドロジーの理論と哲学
2 エスノメソドロジーの中心概念 
3 エスノメソドロジー学派の研究例
4 エスノメソドロジーの貢献と限界

06 エスノグラフィー:ネイティブの文化的理解(村本由紀子[訳])

1 エスノグラフィーにおける人類学の遺産
2 古典的エスノグラフィーの中心概念
3 非正統的なエスノグラフィー諸派 
4 エスノグラフィーの研究例
5 エスノグラフィーの系譜における論争と新たな方向性 


Ⅱ 深層構造に着目する系譜

07 記号論と構造主義:社会的現実の文法(藤田ラウンド幸世[訳])

1 記号論の哲学  
2 記号論と構造主義における中心概念
3 記号論的アプローチの研究例 
4 構造主義の最近の動向と発展

Ⅲ 批判的アプローチの系譜
08 史的唯物論:階級,闘争,そして支配(岸磨貴子[訳])

1 カール・マルクスの哲学 
2 史的唯物論の中心概念  
3 史的唯物論に基づいた研究例  
4 史的唯物論における批判と論争

09 批判理論:ヘゲモニー,知の生産,コミュニケーション行為(灘光洋子[訳])

1 批判理論の哲学 
2 批判理論の中心概念 
3 批判理論学派の研究例 
4 批判理論についての論争と新たな方向性

10 フェミニズム:中心的社会原則としてのジェンダー(岩田祐子[訳])

1 フェミニスト理論と哲学 
2 フェミニスト学派の中心概念
3 フェミニスト学派の研究例 
4 フェミニスト学派における論争と新たな方向性

11 構造化と実践の理論:権力という枠組のなかでの二元論を超えて(谷口明子[訳])

1 アンソニー・ギデンズと構造化理論
2 ギデンズの構造化理論の中心概念 
3 構造化学派の研究例 
4 ブルデューの社会理解と社会研究 
5 ブルデューの実践の理論における中心概念
6 ブルデューの実践の理論を用いた研究例 
Ⅳ 「ポスト」がつく諸学派の系譜

12 ポストモダニズム:イメージおよび「真なるもの」との戯れ(小高さほみ[訳])

1 リオタールとポストモダンの知 
2 ボードリヤールとポスト近代社会 
3 ポストモダン学派の研究例 
4 ポストモダン学派における批判と論争

13 ポスト構造主義:言説,監視,脱構築(時津倫子[訳])

1 脱構築の哲学 
2 脱構築における中心概念
3 フーコーの知の考古学と知の系譜学
4 フーコーのポスト構造主義の中心概念 
5 ポスト構造主義の研究例 
6 ポスト構造主義への批判 

14 ポストコロニアリズム:帝国主義を読み解き,抵抗する(町惠理子[訳])

1 ポストコロニアリズム伝統の出現
2 ポストコロニアル学派の中心概念
3 ポストコロニアル学派の研究例
 
15 結論:伝統,即興,質のコントロール(柴山真琴[訳])

1 質的研究における伝統と即興 
2 研究の質のコントロール:個々人の主体性 
3 研究の質のコントロール:ゲートキーパー 
4 質的研究をつくる喜び

参照文献
監訳者あとがき

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内容説明

シンボリック相互作用論からポストコロニアリズムまで、
研究の指針となる理論と実践の地図を提供する――


質的研究を生み出すさまざまな理論的系譜について、
その考え方、基本的概念、豊かで興味深い研究事例、
そして批判点についても的確に、そして明快に解説する。


本書では,全部で13の異なる学派が取り扱われている。各章では該当する学派の中心概念,主要な学者,重要な議論を検証する。研究実施や全体的な研究の方向性を左右する慣例が議論され,研究計画,データ収集,多様な読者に対しての発表の仕方についての適切な方法も述べられている。また,…既存の概念的,実証的研究事例について数多く報告し,分析し,コメントしている。(本文より)


プシュカラ・プラサド(Pushkala Prasad)

マサチューセッツ大学においてPh.Dを取得。
スウェーデンのルンド大学の行政学の主任教授等を経て、現在、ニューヨーク州サラトガ・スプリングスにあるスキッドモア大学(Skidmore College)のリベラルアーツ学生向けの経営学の教授(Zankel Chair Professor)。

職場での抵抗,仕事のコンピューター化,職場の多様性,ポスト実証主義の研究,言説分析,組織の正当性などが研究の関心領域である。



監訳者
箕浦康子(みのうら やすこ)
現在,お茶の水女子大学名誉教授
カリフォルニア大学ロサンゼルス校大学院人類学科博士課程修了,Ph.D.
専門:心理人類学
主著:『子供の異文化体験―人格形成過程の心理人類学的研究』1984年,思索社,『文化のなかの子ども』1990年,東京大学出版会,『フィールドワークの技法と実際Ⅱ―分析・解釈編』(編著)2009年,ミネルヴァ書房
翻訳担当:Ⅳ部リード


訳者紹介(執筆順)
町惠理子(まち えりこ)
現在,麗澤大学外国語学部教授
カンザス大学大学院修士課程修了,M.A.   
専門:異文化コミュニケーション
主著:『異文化トレーニング』(共著,2,5章を分担)2009年,三修社,
『シリーズ英語教育体系 3 英語教育と文化』(共著,2章4節を分担)2010年,大修館
翻訳担当:1章,14章

浅井亜紀子(あさい あきこ)
現在,桜美林大学リベラルアーツ学群教授
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程修了,博士(人文科学)
専門:文化心理学
主著:『異文化接触における文化的アイデンティティのゆらぎ』2006年,ミネルヴァ書房,『フィールドワークの技法と実際II―分析・解釈編』(共著,10章を分担)2009年,ミネルヴァ書房
翻訳担当:I部リード,2章

山下美樹(やました みき)
現在,麗澤大学経済学部准教授
ポートランド州立大学大学院教育学科博士課程修了,Ed.D. 
専門:成人教育
主著:『共創空間開発学のすすめ』(共著,7章分担)2015年,麗澤出版会,Interpersonal Boundaries in Teaching and Learning(共著,5章分担)(New Directions for Teaching andLearning, No.131, Fall 2012),San Francisco:Jossey-Bass.
翻訳担当:3章

伊佐雅子(いさ まさこ)
元沖縄キリスト教学院大学・大学院教授
オクラホマ大学大学院コミュニケーション研究科
博士課程修了,Ph.D. 
専門:異文化コミュニケーション
主著:『女性の帰国適応問題の研究』2000年,多賀出版,「模合にみる沖縄人(ウチナンチュー)のコミュニケーションについて―新聞記事の分析を通して」(『人・言葉・社会・文化とコミュニケーション』2008年,北樹出版に所収)
翻訳担当:4章

時津倫子(ときつ ともこ)
現在,成城大学・立教大学・関東学院大学・武蔵野大学非常勤講師
早稲田大学教育学研究科博士課程満期退学  修士(教育学)
専門:発達心理学
主著:『「中国帰国者」の生活世界』(2章「中国残留婦人」の生活世界を分担)2000年,行路社,『中国残留日本人という経験』(コラム「中国帰国者の国籍問題」分担)2009年,勉誠出版
翻訳担当:5章,13章

村本由紀子(むらもと ゆきこ)
現在,東京大学大学院人文社会系研究科准教授
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了,博士(社会心理学)
専門:社会心理学,文化心理学
主著:『社会心理学』(共著)2010年,有斐閣,『社会と個人のダイナミクス』2011年,誠信書房(共編著)
翻訳担当:6章

藤田ラウンド幸世(ふじたらうんど さちよ)
現在,国際基督教大学教養学部客員准教授
国際基督教大学大学院教育学研究科博士課程修了,博士(教育学)
専門:社会言語学
主著:『言語復興の未来と価値』(共著,3章を分担)2016年,三元社, 『多文化共生論』(共著,7章を分担)2013年,明石書店
翻訳担当:Ⅱ部リード,7章

岸磨貴子(きし まきこ)
現在,明治大学特任准教授
関西大学大学院総合情報学研究科博士課程修了,博士
専門:教育工学
主著:『大学教育をデザインする―構成主義に基づいた教育実践』(共著,3,4,終章を担当)2012年,晃洋書房,『ソーシャルメディアを活用した日本語教育の協働学習』(共著,4章担当),2013年,晃洋書房,『ICTを活用した新たな実践の試み』(共著,3章3節を担当)2016年,明石書店
翻訳担当:Ⅲ部リード,8章

灘光洋子(なだみつ ようこ)
現在,立教大学異文化コミュニケーション学部教授
オクラホマ大学大学院コミュニケーション研究科博士課程修了,Ph.D.
専門:異文化コミュニケーション論
主著:“7. Similar or Different?: The Chinese Experience of Japanese Culture”(Constituting Cultural Difference Through Discourse, 2000, SAGE に所収),「1章 医療通訳者のアンビバレントな立ち位置について」(『異言語と出会う,異文化と出会う』2011年,風間書房に所収)
翻訳担当:9章

岩田祐子(いわた ゆうこ)
現在,国際基督教大学教養学部教授
国際基督教大学大学院教育学研究科博士課程修了,博士(教育学)
専門:社会言語学,英語教育
主著:『概説 社会言語学』(共著,3, 6, 7, 8, 12, 13, 19, 20章を分担)2013年,ひつじ書房,『日・英語談話スタイルの対照研究―英語コミュニケーション教育への応用』(共著,4, 10章を分担)2015年,ひつじ書房
翻訳担当:10章

谷口明子(たにぐち あきこ)
現在,東洋大学文学部教育学科教授
東京大学教育学研究科博士課程修了,博士(教育学)
専門:教育心理学
主著:『長期入院児の心理と教育的援助―院内学級のフィールドワーク』2009年,東京大学出版会,『育ちを支える教育心理学』(編著)2017年,学文社
翻訳担当:11章

小高さほみ(こだか さほみ)
現在,上越教育大学大学院学校教育研究科教授
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程
修了,博士(人文科学)
専門:教師教育学,家庭科教育
主著:『教師の成長と実践コミュニティ―高校教師のアイデンティティの変容』2010年,風間書房,『教材事典:教材研究の理論と実践』(共著,8章「家庭科,技術・家庭科(家庭分野)」・「教材研究:学習環境・学習支援をいかす教材・教具」他)2013年,東京堂出版
翻訳担当:12章

柴山真琴(しばやま まこと)
現在,大妻女子大学家政学部教授
東京大学大学院教育学研究科博士課程修了,博士(教育学)
専門:発達心理学
主著:『行為と発話形成のエスノグラフィー―留学生家族の子どもは保育園でどう育つのか』2001年,東京大学出版会,『子どもエスノグラフィー入門―技法の基礎から活用まで』2006年,新曜社,『質的研究のためのエスノグラフィーと観察』(単訳書)2016年,新曜社
翻訳担当:15章

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