日本における近代「言語学」成立事情 Ⅰ

藤岡勝二の言語思想を中心として

日本における近代「言語学」成立事情 Ⅰ

言語学という学問がどのような言語思想を基にして形づくられたのか。その経緯を藤岡勝二という言語学者を軸に,資料から読み解く。

著者 柿木 重宜
ジャンル 教育・語学・文学  > 語学・言語学
出版年月日 2017/12/20
書店発売日 2018/01/20
ISBN 9784779512278
判型・ページ数 A5 ・ 176ページ
定価 2,750円(税込)

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言語学という学問がどのような言語思想を基にして形づくられたのか。その経緯を藤岡勝二という言語学者を軸に,資料から読み解く。


著者紹介
柿木重宜(かきぎ しげたか)
博士(言語文化学)大阪大学
一橋大学大学院社会学研究科(社会言語学専攻)博士後期課程
単位取得(1994)
現職 関西外国語大学外国語学部 教授
   関西外国語大学大学院外国語学研究科 教授
主著
『ふしぎな言葉の学─日本語学と言語学の接点を求めて─』(2000)ナカニシヤ出版
『なぜ言葉は変わるのか─日本語学と言語学へのプロローグ─』(2003)ナカニシヤ出版
『日本語の語源を学ぶ人のために』(2006,共著)世界思想社
『京都の地名検証3 』(2010,共著)勉誠出版
『近代「国語」の成立における藤岡勝二の果した役割について』(2013)ナカニシヤ出版
『日本語学トレーニング100題』(2017)ナカニシヤ出版 他
など。
はじめに

1章 藤岡勝二の言語思想と『言語學雑誌』について
 1.1 藤岡勝二の研究テーマとその業績
 1.2 『言語學雑誌』について
 1.3 『言語學雑誌』にみられる藤岡勝二の言説について

2章 『新縣居雑記』からみる藤岡勝二の果した役割
 2.1 『新縣居雑記』とは
 2.2 『新縣居雑記』にみられる藤岡勝二と関連する人物の記録
  2.2.1 藤岡勝二の記録
  2.2.2 上田萬年の記録
  2.2.3 新村出の記録
  2.2.4 保科孝一の記録
  2.2.5 金澤庄三郎の記録
  2.2.6 井上哲次郎の記録
 2.3 言語学会における特別会員について
 2.4 八杉貞利の記録と言語学に関わる重要事項

3章 黎明期における近代「言語学」の研究分野について
 3.1 言語学の研究分野について─とりわけ「社会言語学」の成立を巡って─
  3.1.1 社会言語学とは 
  3.1.2 言語と社会との関係─『言語學雑誌』にみられる言説 
 3.2 近代言語思想に対する藤岡勝二の認識

4章 藤岡勝二著『國語研究法』にみられる言語学の専門用語について
 4.1 『國語研究法』の中の言語学者の表記について
 4.2 『國語研究法』の中の言語学用語(孤立語・膠着語・屈折語)
 4.3 『 國語研究法』と『國語法敎科書』との比較─「国語学」と「言語学」の分離
 4.4 藤岡勝二の方言観とローマ字化運動の理論と実践

5章 近代「言語学」における「語源学」について
 5.1 「語源学」とは何か─潮流と学問的意義
 5.2 比較言語学からの脱却─類型学的方法論への理論的展開
  5.2.1 近代「言語学」における比較言語学の存在意義
  5.2.2 比較言語学から類型学的アプローチへの展開
 5.3 近代「言語学」史における藤岡勝二の論文の位置づけ
  5.3.1 日本語系統論史の時代区分について
  5.3.2 日本語系統論と「語源学」との接点─形態素分析と何か
  5.3.3 日本語系統論と藤岡勝二のアルタイ学の業績
 5.4 日本語系統論における藤岡勝二の「日本語の位置」の再検証

6 章 近代「言語学」の研究対象になった言語─アルタイ諸語
 6.1 アルタイ諸語かアルタイ語族か─とりわけ数詞と語順をめぐって
  6.1.1 アルタイ諸語の数詞について
  6.1.2 アルタイ諸語の語順について
 6.2 「語族」という概念と今後の系統論研究の可能性
 6.3  アルタイ諸語における文献研究の重要性─藤岡勝二の残した資料の意味

7 章 近代「言語学」と藤岡勝二の言語観
 7.1 藤岡勝二の言語理論と音声中心主義
  7.1.1 1900年前後の藤岡勝二の年譜 
  7.1.2 藤岡勝二の音声学の理論について─文字との関係性 
  7.1.3 日本語教育と藤岡勝二について─音の重要性の認識 
 7.2  国語国字問題(ローマ字化運動の理論と実践)について─理想的な文字とは何か─
  7.2.1 「ローマ字ひろめ会」結成までの経緯
  7.2.2 「ローマ字ひろめ会」結成以降の藤岡勝二の国語国字運動について
  7.2.3 現代のローマ字化運動について─連綿と断続のローマ字化運動
 7.3 「棒引き仮名遣い」の変遷
  7.3.1 「棒引き仮名遣い」に対する政府の基本方針
  7.3.2 「棒引き仮名遣い」の問題点
  7.3.3 「棒引き仮名遣い」の消失

8章 藤岡勝二の言語思想と人物に対する評価
 8.1 藤岡勝二に対する同時代の研究者の評価
 8.2 藤岡勝二の現代の研究者の評価

おわりに

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