戦争と戦争のはざまで

E・H・カーと世界大戦

戦争と戦争のはざまで

国際関係、ソ連研究、歴史哲学等、卓越した思想家E.H.カー。「三人のカー」と言われ難解とされたカーの思考枠組みを読み解く。

著者 山中 仁美
ジャンル 法律・政治  > 政治学
出版年月日 2017/11/01
書店発売日 2017/11/01
ISBN 9784779511820
判型・ページ数 A5 ・ 310ページ
定価 5,060円(税込)

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国際関係、ソ連研究、歴史哲学にかかわる卓越した思想家E.H.カーの思考枠組みを読み解く。「三人のカー」、「両義的」な理論、「難解な人物」と言われたカーの思想と行動の基本軸を明らかにする。英国に学び、志半ばで他界した著者渾身の学位論文の邦訳!

「(本書は) イギリスの国際関係研究者E.H.カーの国際関係観に接近しながら戦間期と向き合おうとするものである。……カーは、近年しばしば再考の俎上に載せられるが、筆者の関心は、彼が「常に変化する現実と対峙」しながら、19世紀自由主義の超克という観念的な問題を一貫して扱っていた点にあった。」
(本書の「まえがき」として残された著者の遺稿より)

●著者紹介
山中仁美 (やまなか ひとみ)
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。津田塾大学大学院国際関係研究科修士課程修了。キール大学 (Keele University) 大学院博士課程修了。PhD。日本学術振興会特別研究員、名古屋商科大学専任講師、同大学准教授などを経て、南山大学経済学部准教授に就任。2014年9月永眠。
専門は、国際関係学、国際政治史。20世紀前半のイギリスを主要な対象として、国際関係をめぐる理論と思想を歴史的な手法で研究。主な業績に、「国際政治をめぐる『理論』と『歴史』――E・H・カーを手がかりとして」(『国際法外交雑誌』第108巻1号、2009年)、「戦間期イギリスの国際関係研究における『理論』─―チャタム・ハウスにおけるナショナリズム論をめぐって」(『国際政治』第175号、2013年)、などがある。



佐々木雄太
名古屋大学名誉教授

吉留公太
神奈川大学経営学部准教授

山本健
西南学院大学法学部教授

三牧聖子
高崎経済大学経済学部准教授

板橋拓己
成蹊大学法学部教授

浜由樹子
津田塾大学国際関係研究所研究員
 序章

第一部 カーの核心問題への接近
 
 第一章 「E.H.カー研究」の問題性
       第一節 カーについての三つのイメージ
       第二節 「三人のカー」から「一人のカー」へ?

 第二章 自由主義的国際主義の復活
       第一節 歴史的文脈における十九世紀的自由主義
       第二節 戦間期国際関係における自由主義の伝統

第二部 具体的な問題の処方箋
 
 第三章 「ドイツ問題」
       第一節 ヴェルサイユ体制
       第二節 宥和政策
       第三節 第二次世界大戦後のドイツをめぐって
       小括

 第四章 「ソヴィエト・インパクト」
       第一節 ソ連観の変化
       第二節 危機の時代におけるソ連への関与
       第三節 「ソヴィエト・インパクト」から「新しい社会」へ
       小括

 第五章 「新しいヨーロッパ」
       第一節 カーの「新しいヨーロッパ」構想
       第二節 「新しいヨーロッパ」をめぐる文脈
       第三節 「新しいヨーロッパ」の影響
       小括

 第六章 「新しいヨーロッパの家」のための新しい社会秩序
       第一節 イギリスをめぐって
       第二節 戦時の社会改革をめぐって
       第三節 「新しいヨーロッパ」の基盤としての国内秩序
       小括

 終章


 註
 参考文献一覧
 学位請求論文に付された謝辞

 監訳者のあとがき
 山中仁美 研究業績一覧

 索引(人名・事項)

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