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国際社会学入門  新刊

国際社会学入門

移民・難民・無国籍・家族・教育・医療・観光……国境を超えたグローバルな社会現象をさまざまな切り口から捉える入門テキスト

著者 石井 香世子
ジャンル テキスト
社会・文化 > 社会学
出版年月日 2017/03/31
ISBN 9784779511349
判型・ページ数 A5・192ページ
定価 本体2,200円+税
 

目次

Chapter 1 国際社会学への案内
国境を超える社会現象をとらえる視点(石井香世子)

 1 はじめに:そもそも社会学について
 2 国単位の社会から,国境を超えた社会へ
 3 国境を超えた現象をとらえる視点
 4 本書の構成

Part I 多様化する国民・移民・難民

Chapter 2 移民と国民の境界
現代の国際移動をどうとらえるか(酒井千絵)

 1 はじめに:「移民」とはだれか 
 2 移民・国際移動を議論する枠組み
 3 日本における国際移動のイメージと実態  
 4 おわりに:移動がもたらす社会の多様性  

Chapter 3 グ ローバル化時代の難民・国内避難民
「難民」とはだれかを問いなおす(滝澤三郎)

 1 はじめに  
 2 グローバル化時代の難民  
 3 難民のグローバル化/越境化をめぐる議論
 4 「逃げる人」から「選ぶ人」へ 
 5 日本における難民問題  
 6 おわりに:難民への視線の転換の可能性  

Chapter 4 無国籍の人はナニジンですか
国境を越える人,国の枠組みを越えられない権利(陳 天璽)

 1 はじめに:「無国籍」という言葉のイメージ
 2 グローバル化と無国籍者,身分証明 
 3 無国籍者が発生するさまざまな原因 
 4 無国籍者にとっての国・法・アイデンティティ
 5 おわりに  

Part II グローカル化がすすむ日常生活

Chapter 5 越境する家族
移民国家オーストラリアからみる国籍・市民権と生活実態のジレンマ(奥野圭子)

 1 はじめに:なぜオーストラリアの家族問題なのか 
 2 国籍と市民権 
 3 家族と白豪主義:グローバル化・そしてグローカル化へ
 4 国際移動法の変遷 
 5 家族生活の尊重と退去強制のジレンマ
 6 おわりに 

Chapter 6 グローカル化とトランスナショナル教育
マレーシアにおける高等教育の新たな展開(杉村美紀)

 1 はじめに  
 2 教育をめぐるローカルな文脈とグローバル化の現状 
 3 トランスナショナル教育をめぐる議論
 4 マレーシアの概略 
 5 マレーシアにおける高等教育のグローカル化 
 6 おわりに

Chapter 7 医療におけるグローバル化の進展
二極化,患者・専門家の移動の視点から(真野俊樹)

 1 はじめに
 2 医療ツーリズムの現状
 3 医療の特徴 
 4 医療制度と医療ツーリズムが起こる理由
 5 専門家の移動 
 6 医療ツーリズム先進国 
 7 おわりに

Part III 国境を超えるつながりと新しい境界

Chapter 8 グローバル化・国境・観光
タイの観光から考える( 石井香世子)

 1 はじめに  
 2 グローバル化と観光
 3 グローバル化と観光のとらえ方
 4 タイと国際観光
 5 国境・観光・出稼ぎ労働者
 6 おわりに
  
Chapter 9 グローバル化とメディア
「国を持たない最大の民族」クルドの視点から考える( 阿部るり)

 1 はじめに 
 2 メディアはだれのものか  
 3 メディアのグローバル化をめぐる議論
 4 トルコ・メディア小史 
 5 クルド移民と遠隔地ナショナリズム 
 6 おわりに

Chapter 10 グローバル化時代の宗教とアイデンティティ
イギリスのムスリム女性を事例として(安達智史)

 1 はじめに:宗教・アイデンティティ・グローバル化
 2 イスラームと文明の衝突 
 3 イスラームと女性  
 4 教育・労働・結婚  
 5 〈宗教/文化〉の区別・知識・情報化 
 6 おわりに 

Part IV 社会問題からみるローカルとグローバルの関係

Chapter 11 犯罪のグローバル化 ( 中村文子)
ヨーロッパにおける人身取引の事例から

 1 はじめに  
 2 人身取引とは
 3 人身取引はどのような被害をもたらすのか
 4 人身取引はなぜ起きるのか 
 5 国際社会による対策 
 6 おわりに  

Chapter 12 ローカルに利用される資源のグローバルな価値
バングラデシュの森林消失と農民の生活(坂本麻衣子)

 1 はじめに 
 2 森林保全をめぐるグローバル化
 3 資源管理をめぐる議論
 4 バングラデシュとは 
 5 森林消失の社会・経済・環境の構造 
 6 おわりに

Chapter 13 紛争のグローバル化
アフリカの事例から(杉木明子)

 1 はじめに  
 2 国内紛争の現状 
 3 国内紛争をめぐる議論  
 4 北部ウガンダ紛争の事例 
 5 おわりに

Part V 豊かさと貧しさの再配置

Chapter 14 豊かな国のなかに広がる貧困
アメリカにおける貧困とグラミン・アメリカ(稲葉美由紀)

 1 はじめに
 2 貧困のグローバル化をめぐる議論
 3 アメリカにおける貧困の現状  
 4 バングラデシュからの貧困削減アプローチ
 5 おわりに 

Chapter 15 ボ ーダーレス化する市場
ラテンアメリカに進出するウォルマートの国際化戦略(丸谷雄一郎)

 1 はじめに 
 2 ビジネスをめぐるグローバル化の現状 
 3 ビジネスのグローバル化をめぐる議論 
 4 ラテンアメリカにおけるビジネス
 5 ラテンアメリカにおけるビジネスのグローバル化:ウォルマートの事例 
 6 おわりに 

コラム1: 何人であるかより,何を成し遂げたかを問うて生きる(プロムチャワン・ウドムマナー)
コラム2:音楽という言葉とともに国境を越えて(川杉ありさ) 
コラム3:スポーツに垣間見る国際競争(倉石 平) 
コラム4:“Leave No One Behind”の具現化(池上清子)

見学施設紹介1:JICA 横浜 海外移住資料館  
見学施設紹介2:東京ジャーミイ・トルコ文化センター
見学施設紹介3:神戸華僑歴史博物館 
見学施設紹介4:神戸・移住ミュージアム

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内容説明

移民・難民・無国籍・家族・教育・医療・観光・メディア・宗教・犯罪・環境問題・紛争・貧困・消費――
国境を超えたグローバルな社会現象をさまざまな切り口から捉える入門テキスト

「国際社会学というのは結局,移民関連の問題だけを扱うものなのですか」「環境問題や人権問題など,国境を越えた社会現象について国際社会学の授業レポートで書くことはできないのですか」という質問は,この科目を教える教員が,現場で学生から受ける最も多い質問のひとつではないだろうか。……教科書と履修者の前提のズレを解消するためには,どうしたらよいのだろうか――5年ほど考え続けて,新しいタイプの教科書をつくるのがいいのではないかという結論に至った。そして,多くの方のご理解と協力を得て,この本が生まれた。「はじめに」より

 

 

 

執筆者紹介(執筆順,* は編者)
石井香世子(いしい かよこ)*
担 当:1・8章
立教大学社会学部准教授。社会学・タイ研究・東南アジア社会論。山村・都市・トランス・ナショナル空間を生きるタイ山地民と観光・移民の事例をもとに,エスニック・マイノリティからみたグローバル化を研究。編著書にMarriage migration in Asia(京大出版会/ シンガポール大出版会,2016年)など。

酒井千絵(さかい ちえ)
担 当:2章
関西大学社会学部准教授。社会学・国際移動とジェンダー・東アジア研究。日本人の海外移住史,日本から香港や上海への移住,移住への日本社会の反応を通して,国境のあり方を研究。著作に「グローバル化するジェンダー関係―日本の「アジア就職ブーム」と女性の国際移動から」(『変革の鍵としてのジェンダー』ミネルヴァ書房所収,2015年)など。

滝澤三郎(たきざわ さぶろう)
担 当:3章    
認定NPO法人国連UNHCR 協会理事長・東洋英和女学院大学大学院客員教授・元
UNHCR 駐日代表。移民・難民論。難民問題がグローバルな問題となるなかで,日本の難民政策がいかにあるべきかを研究している。
編著書に『難民を知るための基礎知識』(明石書店,2017年)など。

陳 天璽(チェン ティエンシ)
担 当:4章 
早稲田大学国際学術院教授。移民・華僑華人・無国籍者に関する人類学的研究を専門とする。著書に『無国籍』(新潮社,2011 年[2005 年]),『華人ディアスポラ』(明石書店2001 年)。共編著に『越境とアイデンティフィケーション』(新曜社,2012 年),『パスポート学』(北海道大学出版会,2016年)など。

プロムチャワン・ウドムマナー
担 当:コラム① 
バンコク メロディ幼稚園,チャイルドコネクト教育センター理事長。多文化の背景を背負って生きる子どもたちの,能力開発教育の専門家・実践家。著作に‘Early childhood teacherchild relationships in the United States: Theory’(International handbook on early childhood education, Springer 所収 ,近刊)など。

奥野圭子(おくの けいこ)
担 当:5章
神奈川大学経営学部講師。憲法・渉外公法・オーストラリア法。外国人の人権問題の事例から,豪日比較研究を中心に国境を超えて家族生活を送る人々の権利問題を研究。豪日交流基金の研究助成を得て,メルボルン大学で在外研究後,現職。著作に「国境を超えて家族生活を営む権利」(『国際経営論集』49巻所収,2015年)など。

杉村美紀(すぎむら みき)
担 当:6章   
上智大学総合人間科学部教授。学術交流担当副学長。比較教育学・国際教育学。人の国際移動と多文化社会の変容における教育の役割,トランスナショナル教育,国際教育交流について研究。共編著に『多文化共生社会におけるESD,市民教育』(上智大学出版, 2014年)など。

真野俊樹(まの としき)
担 当:7章
多摩大学大学院教授・同医療介護ソリューション研究所所長。87年名古屋大学医学部卒業。医師,医学博士,経済学博士。日本内科学会認定専門医。医療・介護の国際化を研究。『入門医療経済学―「いのち」と効率の両立を求めて』(中央公論新社,2006年),『グローバル化する医療―メディカルツーリズムとは何か』(岩波書店, 2009年),『入門医療政策―誰が決めるか,何を目指すのか』(中央公論新社,2012年)など著書多数。

川杉ありさ(かわすぎ ありさ)
担 当:コラム②
中国四川省 西南科技大学芸術学部音楽科ピアノ講師。室内楽ピアニスト,伴奏ピアニスト,ピアノ講師などとして,アジアやヨーロッパにて幅広く活動を展開中。

阿部るり(あべ るり)
担 当:9章
上智大学文学部新聞学科准教授。社会学・メディア研究・トルコ地域研究。トルコ南東部でのフィールドワークを経て,ヨーロッパにおけるクルド系,トルコ系移民コミュニティとメディアの関わりについて研究。著作に「トルコとヨーロッパ―クルド語公共放送「TRT」の誕生 トルコの挑戦と限界」(『ジャーナリズムの国籍』慶應義塾出版会所収,2015年)など。

安達智史(あだち さとし)
担 当:10章
近畿大学総合社会学部専任講師。社会学・社会統合・現代ムスリム研究。現代の女性ムスリムへの聞き取りを通じて信仰と社会統合の関係を探究。著書に『リベラル・ナショナリズムと多文化主義―イギリスの社会統合とムスリム』(勁草書房,2013 年)など。

倉石 平(くらいし おさむ)
担 当:コラム③
早稲田大学スポーツ科学学術院教授。専門はスポーツ科学・コーチング科学・ボールゲーム戦術戦略。元バスケットボール日本代表。トップリーグ各チームでヘッドコーチを歴任。NHK など各局でバスケットボール解説多数。共著書に『バスケットボール指導教本 上巻/下巻』(大修館,2016年),監訳書に『バスケットボール・コーチ ウィークリー(日本語版)』(2015年4月より40巻継続中 ジャパンライム株式会社)など。

中村文子(なかむら あやこ)
担 当:11章
東北大学学際科学フロンティア研究所助教。専門は国際関係論・国際人権問題。欧州と東南アジアの地域機構による人身売買対策について研究。共編著に『移動の時代を生きる―人・権力・コミュニティ』(東信堂,2012年)など。

坂本麻衣子(さかもと まいこ)
担 当:12章
東京大学大学院新領域創成科学研究科 国際協力学専攻 准教授。資源環境管理・コミュニティ開発・合意形成論。著作に「ベンガルの農村で飲料水ヒ素汚染問題に向き合う―異分野の方法を取り入れて見えてきたもの」(『FENICS-2 巻 フィールドの見方』古今書院所収,2015年)など。

杉木明子(すぎき あきこ)
担 当:13 章
神戸学院大学法学部教授。国際関係論,現代アフリカ政治。アフリカにおける紛争,難民問題,海上犯罪・海上安全保障等を研究。主な研究業績に「途上国では,いま何がおきているのか―ソマリアの事例から」(『多文化「共創」社会入門』慶應義塾大学出版会所収, 2016年),「紛争の「加害者」としての子ども」(『国際関係のなかの子どもたち』晃洋書房所収,2015年)等。

池上清子(いけがみ きよこ)
担 当:コラム④
前国連人口基金東京事務所長・日本大学大学院教授。国際関係論・女性の健康論。国連機関とNGO の両視点から,開発,ジェンダー,人口,持続可能な開発目標(SDGs)などを研究。第2 回野口英世アフリカ賞選考委員,(公財)プラン理事長,日本赤十字社常任理事。著作に「家族計画」(『基礎助産学[3] 母子の健康科学』医学書院所収,2016年)など。

稲葉美由紀(いなば みゆき)
担 当:14章
九州大学大学院言語文化研究院・地球社会統合科学府准教授。社会福祉学・公共政策・地域開発・高齢者ケア。著書にCapitalism for the poor: Does microenterprise work in the developed world?(花書院,2012年)など。

丸谷雄一郎(まるや ゆういちろう)
担 当:15章
東京経済大学経営学部教授。グローバル・マーケティング論。世界最大売上を誇る小売業者ウォルマートのラテンアメリカなどへの進出事例から,グローバル・マーケティングに関して研究。『ウォルマートのグローバル・マーケティング戦略』(創成社,2013年)など著書多数。

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