正当性の社会心理学

海と草原と基地が問う「社会的決定の権利」

正当性の社会心理学

社会的決定を行う権利は誰にあり、その根拠は何なのか。軍事基地、廃棄物処理場などの事例をもとによりよい合意形成の在り方を問う。

著者 野波 寛
ジャンル 心理学  > 社会・文化
出版年月日 2017/03/10
書店発売日 2017/03/10
ISBN 9784779511325
判型・ページ数 A5 ・ 184ページ
定価 6,160円(税込)

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社会的決定を行う権利は誰にあり、その根拠とは何なのか。米軍基地、廃棄物処理場などの事例をもとに、インタビューやアンケート調査といった多彩な手法からよりよい合意形成の在り方を問う。


●著者紹介
野波寛(のなみひろし)
名古屋大学大学院文学研究科博士課程後期中退(1994年)
現在,関西学院大学社会学部教授
主著に,
環境問題における少数者の影響課程(晃洋書房,2001年単著)
集団間関係の社会心理学(晃洋書房,2010年共訳)
暮らしの中の社会心理学(ナカニシヤ出版,2012年共著)他

第1章 社会的決定を行う権利とその根拠:正当性について考える
 1―1 決定権は誰が持つべきか?:ギリシャ発,世界が震えた3日間
 1―2 正当性とは:誰にどんな根拠から権利を承認すべきか
 1―3 アクター間で正当性の相互評価の不一致が焦点化するとき

第2章 海を守る権利:沖縄県の赤土流出をめぐる正当性
 2―1 海を守るのは誰か:沖縄県における赤土流出問題の構造
 2―2 正当性を規定する認知的基盤の曖昧さ:宜野座村の事例
 2―3 海の守り人と承認された人々の2つの柱:恩納村の事例
 2―4 規則で権利を定める,その当たり前に潜む落とし穴

第3章 草原は誰のものか:内モンゴル自治区における牧草地の管理をめぐる正当性
 3―1 草原の果てなき頃から生態移民政策まで
 3―2 草原の守り人は誰であるべきか
 3―3 草原の価値評価が正当性の判断を左右する
 3―4 消極的当事者主義を防ぐ重要性

第4章 軍事基地と廃棄物処理場:迷惑施設をめぐる正当性
 4―1 みんなに笑顔,誰かに涙,NIMBY 問題の難しさ
 4―2 米軍基地の政策は誰が決定すべきか
 4―3 とりあえず「地元が決めればいい」,消極的当事者主義を変える情報とは

第5章自他の正当性を判断する模擬体験:トレーニング・ツールとしての“誰がなぜゲーム”
 5―1 “誰がなぜゲーム”で正当性の相互評価構造を実験室に再現する
 5―2 操作性を高めた改訂版“誰がなぜゲームVer.2 (WWG Ⅱ)”
 5―3 地層処分場を焦点とした“WWGⅡ/NIMBY 版”
 5―4 WWG およびWWG Ⅱの有用性

第6章正当性の枠組みを通して見えるもの:多数者が参加することの意義
 6―1 多数者の参加機会を作る重要性:関心は敬意の手がかり
 6―2 正当性の抑制がコミュニティを破壊する
 6―3 正当性理論の限界性と有効性

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