日本と韓国における多文化共生教育の新たな地平

包括的な平和教育からホリスティックな展開へ

日本と韓国における多文化共生教育の新たな地平

平和教育を学校に根づかせるには何が必要か。教科書分析や中学校での実践をもとに、NGOとの協働など新しい教育プログラムを提案。

著者 孫 美幸
ジャンル 教育・語学・文学  > 教育学
社会・文化  > 異文化・多文化
出版年月日 2017/02/20
書店発売日 2017/02/20
ISBN 9784779511356
判型・ページ数 A5 ・ 312ページ
定価 10,230円(税込)

この本へのお問い合わせ・感想

平和教育を学校に根づかせるには何が必要か。教科書分析や中学校での実践をもとに、NGOとの協働など、開かれた多角的な新しい教育実践プログラムを提案。平和的なネットワークを両国で展開する基礎づくりをめざす。

●著者紹介
孫 美幸(そん みへん)
大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター講師
2010年立命館大学大学院社会学研究科博士課程後期課程修了
論文に,「韓国民話における「異人」への眼差し―韓国社会の多文化教育のあり方を考えるために」『ホリスティック教育研究第19号』(2016),「授業の成立が困難な学校で多文化共生を語る―ゲストティーチャーとしての関わりから」『多言語・多文化実践と研究第5巻』(2013)ほか。



第3回咲耶出版大賞特別賞を受賞しました!


大阪大学外国語学部・大阪外国語大学の卒業生や教員によって書かれた出版物を対象に、外語精神溢れる作品を顕彰する賞です。

「…在日としての自身の体験に基づき多文化共生教育の理論と実践を紹介している。教育現場のみならず多くの人々に届けたい内容として委員間で深い共感を得た。」

はじめに

1.包括的な平和教育の視点に基づく「多文化共生教育」
1-1 平和教育の理論的背景と課題
1-2 多文化社会の進展と包括的な平和教育
(1)平和教育における包括性
(2)包括的な平和教育における学習領域
(3)包括的な平和教育の一領域としての「多文化共生」―「多文化共生教育」の意義
(4)包括的な平和教育の方法としてのNGOとの協働
1-3 中学校段階における包括的な平和教育の視点の必要性―平和教育の変遷と現状
(1)日本の場合
(2)韓国の場合

2.包括的な平和教育による日・韓の中学校カリキュラムの転換―「道徳」・「社会科(公民的分野)」を中心に
2-1 「道徳」・「公民」と「平和」の関連性
2-2 中学校「道徳」・「社会科(公民的分野)」の歴史的変遷と現況
(1)日本の場合
(2)韓国の場合
2-3 中学校「道徳」・「社会科(公民的分野)」における包括的な平和教育の視点の必要性
2-4 中学校「道徳」・「社会科(公民的分野)」の教科目標における平和理念の反映
(1)日本の場合
(2)韓国の場合
2-5 中学校「道徳」・「社会科(公民的分野)」における包括的な平和教育の比較分析方法
3.日・韓が共有できる包括的な平和教育の主要テーマの考察―中学校「道徳」副読本・教科書の内容分析
3-1 いのち・子どもの権利
(1)日本の場合
(2)韓国の場合
3-2 さまざまな形態の差別
(1)日本の場合
(2)韓国の場合
3-3 両国の比較分析

4.日・韓が共有できる包括的な平和教育の主要テーマの考察―中学校「社会科(公民的分野)」教科書の内容分析
4-1 いのち・子どもの権利
(1)日本の場合
(2)韓国の場合
4-2 さまざまな形態の差別
(1)日本の場合
(2)韓国の場合
4-3 両国の比較分析

5.日・韓が共有できる包括的な平和教育の主要テーマの総括―中学校「道徳」・「社会科(公民的分野)」の教科書内容比較分析
5-1 いのち・子どもの権利
5-2 さまざまな形態の差別

6.日・韓の中学校における包括的な平和教育の視点に基づいた「多文化共生教育」の実際
6-1 「多文化共生」をめぐるさまざまな言説―多文化主義,植民地主義との関連
6-2 「多文化共生教育」プログラムの構成要素―脱植民地化の視点
6-3 中学校段階における「多文化共生」をテーマにしたプログラムの変遷と現状
(1)日本の場合
(2)韓国の場合
6-4 NGOと協働した「多文化共生」がテーマのプログラム実践事例の考察
(1)日本の場合
(2)韓国の場合

7.日・韓の中学校における「多文化共生教育」プログラムモデルの検討
7-1 「多文化共生教育」プログラム改善モデル―包括的な平和教育の視点に基づいた基本構造の提示
7-2 「多文化共生教育」の深化段階を充実させるためのいのちの視点―ホリスティックな構造へ
7-3 いのちの視点を取り込んだ「多文化共生教育」プログラム実践事例の考察
(1)多文化共生教育にいのちの視点を取り込むことの必要性―包括的な平和教育を基盤にしたホリスティックな学びへ
(2)いのちの視点を取り込んだ多文化共生の授業の概要
(3)生徒の意識の変容―在日コリアンの印象を問うアンケート結果の分析を通して
(4)本実践の成果と課題

8.「多文化共生教育」への教員の理解を促す人権研修―自分史交流を通した対話
8-1 人権に関わる自分史交流を,校内の教員研修に取り込むことの必要性―ホリスティックな教員研修を実施するために
8-2 人権に関わる自分史交流を取り入れた教員研修の概要
8-3 研修を通して教員が学んだこと―ふりかえり用紙の分析を通して
8-4 本実践の成果と課題―ホリスティックな教員研修への示唆
(1)日常の中の非日常性の創出
(2)緊張からの解放と学び
(3)語りなおしを通したゆるやかなつながり


おわりに
添付資料
参考文献・資料
索  引

ご注文

10,230円(税込)

ネット書店で購入する

  • Amazon
  • honto
  • e-hon 全国書店ネットワーク
  • Honya Club.com
  • 紀伊國屋書店ウェブストア
  • セブンネットショッピング
  • 楽天ブックス
  • ヨドバシ.com

シェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加