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身体と教養

身体と向き合うアクティブ・ラーニングの探求

身体と教養

ポストフォーディズムのコミュニケーション社会において変容する身体と教育との関係を大学の身体教育の実践現場から捉える。

著者 山本 敦久
ジャンル 教育・文学 > 高等教育
社会・文化 > 文化研究
出版年月日 2016/03/31
ISBN 9784779510601
判型・ページ数 A5・208ページ
定価 本体2,800円+税
 

目次

序  論(山本敦久)

1 変容する身体と学びの空間
2 「身体と教育」の関係を問い直す:新しい身体の教養にむけて
3 いくつかの実践的な試み
4 本書の狙いと構成

第1部 現代社会における身体と教養

01  ハビトゥスなきハビトゥスの時代:コミュニケーション社会における知と身体(山本敦久)

1 知/身体の分断と新たな融合
2 「ゴールデン・ゲットー」:スポーツ社会学者と黒人アスリート
3 社会的分業:身体の抑圧とスポーツの文明化 
4 ハビトゥスなきハビトゥス
5 「コミュニケーション能力」の時代
6 おわりに:コミュニケーション社会における身体のゆくえ

02  教養教育にみる「音楽」のあり方を考える(東谷 護)

1 音楽は難しい
2 教養としての「音楽」をどのように教えてきたのか
3 教養科目としての音楽をどうデザインするか
4 おわりに:「音楽」からの日常の再構成にむけて

03  教養として身体を「学習」することの必要性:体育教育の批判的考察から(阿部勘一)

1 はじめに:本章の主旨
2 できないのは誰のせい?:体育教育の問題点
3 音楽の指導法にみる身体動作の言語化の可能性
4 体育教育における反知性主義からの脱却 
5 おわりに:教養としての身体理解と体育教育

第2部 大学生の身体とコミュニケーション

04  ボランティア化する社会と身体:大学生を取り巻くボランティアの状況(二宮雅也)

1 はじめに 
2 ボランティアのメディアバリュー
3 ボランティア・エージェント(中間支援組織)の存在 
4 教育とボランティアの接合:大学教育コンテンツとしてのボランティア
5  発展するボランティア:東京オリンピック・パラリンピックとスポーツボランティアの広がり
6 まとめ:ボランティア化する社会を考える

05 オンライン・メディアと女子学生の「つながりっぱなしの日常」(田中東子)

1 はじめに
2 オンライン・メディアに関する教育実践
3 女性たちによるオンライン・メディアの使用
4 新しいメディア実践から彼女たちはなにを学んでいるのか

第3部 「アクティブラーニング」と教養教育の現在

06 身体教育の学びを考える

スポーツ・ウェルネス教育とアクティブラーニングの視座から(妹尾江里子)

1 はじめに
2 アクティブラーニングとは
3 コーチングの立場から
4 スポーツ・ウエルネス教育科目における学び
5 結びにかえて

07 アクティブラーニング型初年次キャリア教育:その実践と課題(勝又あずさ)

1 はじめに
2 「キャリア形成概論Ⅰ」科目の位置づけと考え方
3 初年次キャリア教育としての「キャリア形成概論Ⅰ」の実践
4 おわりにかえて

08 鼎談:身体の教養を再考する:動きと言葉のリベラルアーツへ(田中陽子・阿部勘一・山本敦久)

1 身体を介した学びの場
2 身体を総合的に捉える視点
3 体育の教科書?
4 身体の教養:「からだ」のインテリジェンス
5 成城学園と身体の思想


第4部 学校教育におけるスポーツ文化 

09 スポーツの重要性と学業のバランス:アイルランドの中等学校の課外活動を参考に(海老島均)

1 アイルランドの学校でのスポーツ
2 学校の課外活動としてのスポーツの位置づけ
3 学業とスポーツのバランスの確保がスポーツの文化性も高める:日本との比較論


10 部活動指導についての一考察:教職課程2年「特別活動」を例として(徳田光治)

1 はじめに
2 特別活動の歴史
3 「特別活動」の年間予定
4 「部活動指導」の実践例
5 今後の課題

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内容説明

身体をめぐる教育実践はどのように変容しつつあるのか?
ポストフォーディズムのコミュニケーション社会において変容する身体と教育との関係を大学の身体教育の実践現場から捉える。

本書は,アクティブ・ラーニングやコミュニケーション能力を直接的に論じることを狙いとはしていない。むしろ,そうとはいわずに展開されている多様な「学習」のあり方のなかにすでにアクティブ・ラーニング的な要素が散りばめられているということを本書から読み取ることができるだろう。とくに本書の特色となっているのは「身体」への視座である。「アクティブ」な学習形態において,身体はかつてないほどに重要な場所に置かれている。知の伝達や共有,産出にとって,身体を媒介とした学習は様々な領域で注目され,多様に展開されている。(「序論」より)


執筆者紹介(執筆順 * は編者)
山本敦久*(やまもと・あつひさ)
成城大学社会イノベーション学部准教授。専攻は,スポーツ社会学,カルチュラル・スタディーズ。
著書に,『オリンピック・スタディーズ―複数の政治,複数の経験』(共著,せりか書房),『.知としての身体.を考える―上智式教育イノベーション・モデル』(共著,学研マーケティング)『スポーツ観戦学―熱狂のステージの構造と意味』(共著,世界思想社),『「ハーフ」とは誰か―人種混淆・メディア表象・交渉実践』(共著,青弓社)など。
執筆担当:序論,第1章,第8章

東谷 護(とうや・まもる)
成城大学文芸学部教授。博士(人間・環境学)。専攻は,音楽学,社会文化史。
著書に,『マス・メディア時代のポピュラー音楽を読み解く』(勁草書房),『進駐軍クラブから歌謡曲へ』(みすず書房),『大学での学び方―「思考」のレッスン』(勁草書房),Made in Japan: Studies in Popular Music(Routledge Global Popular Music Series)(共著,New York: Routledge)など。
執筆担当:第2章

阿部勘一(あべ・かんいち)
成城大学経済学部准教授。専攻は,社会経済学,消費社会論,メディア論。
著書に『メディア・コンテンツ産業のコミュニケーション研究』(共著,ミネルヴァ書房),『フラット・カルチャー―現代日本の社会学』(共著,せりか書房)など。
執筆担当:第3章,第8章

二宮雅也(にのみや・まさや)
文教大学人間科学部准教授。NPO 法人日本スポーツボランティアネットワーク理事。専攻は,スポーツ社会学,健康社会学,地域活性論。
著書に『スポーツ白書 2014―スポーツの使命と可能性』(共著,笹川スポーツ財団),『「知としての身体」を考える―上智式教育イノベーション・モデル』(共著,学研マーケティング),『実践から読み解くスポーツマネジメント』(共著,晃学出版)など。
執筆担当:第4章

田中東子(たなか・とうこ)
大妻女子大学文学部准教授。博士(政治学)。専攻は,メディア文化論,カルチュラル・スタディーズ。
著書に,『メディア文化とジェンダーの政治学―第三波フェミニズムの視点から』(世界思想社),『〈ハーフ〉とは誰か―人種混淆・メディア表象・交渉実践』(共著,青弓社),『叢書セミオトポス8 ゲーム化する世界―コンピューターゲームの記号論』(共著,新曜社)など。
執筆担当:第5章

妹尾江里子(せのお・えりこ)
成城大学文芸学部教授。専攻は,スポーツ心理学。
著書に,『健康生活とスポーツ・体育』(共著,建帛社)など。
執筆担当:第6章

勝又あずさ(かつまた・あずさ)
成城大学キャリアセンター特別任用准教授。専攻は,キャリア教育,キャリア開発。
2013年経済産業省主催「社会人基礎力を育成する授業30選」入選。第1期MOSTフェロー(京都大学高等教育研究開発推進センター)。
論文に,「成城らしさからキャリア形成」(成城大学共通教育論集,2,4)
執筆担当:第7章

田中陽子(たなか・ようこ)
成城大学社会イノベーション学部教授。専攻は保健・体育。
論文に「本学体育実技履修者の体力―「 新体力テスト」導入後の推移」( 成城大学共通教育論集,1)
など。
執筆担当:第8章

海老島 均(えびしま・ひとし)
成城大学経済学部教授。専攻は,スポーツ社会学,スポーツ文化論。
著書に『よくわかるスポーツ文化論』(共著,ミネルヴァ書房),『アイルランドを知るための70章』(共編著,明石書店),The changing face of rugby: The union game and professionalism since
1995,(共著,Cambridge Scholar Press),Japan, sport and society in a globalizing world(共著,
Routledge)など。
執筆担当:第9章

徳田光次(とくだ・みつはる)
成城大学共通教育研究センター特任教授。専攻は,地形学,社会科教育,教職課程。
論文に,「教職課程の現状と課題」(成城大学共通教育論集,6)「大学と初・中・高校との連携」(成城大学共通教育論集, 7)など。
執筆担当:第10章

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