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慢性疾患患者のモーニング・ワークのプロセス  新刊

思春期・青年期から中年期の心理・社会的影響に注目して

慢性疾患患者のモーニング・ワークのプロセス

「喪う」という経験に伴う痛みや悲しみを患者はどのように引き受け、回復していくのか。「対象喪失」という観点から丁寧に描く。

著者 今尾 真弓
ジャンル 心理学
心理学 > 臨床
出版年月日 2016/03/15
ISBN 9784779510243
判型・ページ数 A5・155ページ
定価 本体5,000円+税
 

目次

第1章 慢性疾患患者の心理・社会的側面に注目する意義
1. 1 慢性疾患の定義とその歴史的変遷
1. 1. 1 慢性疾患の定義
1. 1. 2 慢性疾患の歴史的変遷
1. 2 慢性疾患をめぐる研究の動向
1. 2. 1 医療社会学
1. 2. 2 医療人類学
1. 2. 3 看護学
1. 2. 4 心理学
1. 3 本研究の課題―「喪失」と「生涯発達」
1. 3. 1 喪  失
1. 3. 2 生涯発達―特にキャリー・オーバーと成育医療
1. 4 本研究で対象とする発達期
1. 4. 1 子どもと高齢者の「はざま」としての思春期・青年期から中年期
1. 4. 2 思春期・青年期から中年期を対象とする意義
1. 5 本研究で対象とする慢性疾患
1. 5. 1 慢性腎臓疾患の定義
1. 5. 2 慢性腎臓疾患の推移と治療法

第2章 慢性疾患におけるモーニング・ワークと心理・社会的影響
2. 1 対象喪失とモーニング・ワーク
2. 1. 1 「失う」という経験と心の作業
2. 1. 2 「身体的自己の喪失」としての慢性疾患
2. 2 モーニング・ワーク研究の歴史的経緯
2. 2. 1 段階モデルの登場
2. 2. 2 障害・慢性疾患領域におけるモーニング・ワーク研究
2. 2. 3 モーニング・ワークの2つのモデルの並存
2. 2. 4 「受容」と「喪失」
2. 3 モーニング・ワークにかかわる諸条件
2. 3. 1 モーニング・ワークを可能とする/困難とする条件
2. 3. 2 モーニング・ワークの様相の発達的相違
2. 4 慢性疾患の与える心理・社会的影響―アイデンティティ発達を中心に
2. 4. 1 アイデンティティ発達過程への影響
2. 4. 2 アイデンティティの社会的側面における影響
2. 5 本研究の目的

第3章 モーニング・ワークの2つのモデル―段階モデル・慢性的悲哀(chronic sorrow)への適合性についての検討―
3. 1 2つのモデルを検討する必要性と意義
3. 2 方  法
3. 2. 1 調査時期と対象者
3. 2. 2 面接の手続きと内容
3. 2. 3 結果の整理と分析
3. 3 結  果
3. 3. 1 モーニング・ワークのプロセスの各段階の特徴
3. 3. 2 モーニング・ワークのプロセスの各段階の出現様式 
3. 4 考  察

第4章 思春期・青年期から成人前期についての検討
4. 1 思春期・青年期から成人期における慢性疾患
4. 2 方  法
4. 2. 1 調査時期と対象者
4. 2. 2 面接手続きと内容
4. 2. 3 結果の整理と分析
4. 3 結  果
4. 3. 1 事例の群分けおよび各群の特徴
4. 3. 2 第3章と比較したモーニング・ワークの特徴
4. 3. 3 段階モデルおよび慢性的悲哀モデルへの適合性
4. 4 考  察

第5章 成人前期から中年期についての検討
5. 1 成人前期から中年期における慢性疾患
5. 2 方  法
5. 2. 1 調査時期と対象者
5. 2. 2 面接の手続きと内容
5. 2. 3 結果の整理と分析
5. 3 結  果
5. 3. 1 各事例の概要とモーニング・ワークのプロセス
5. 3. 2 モーニング・ワークの特徴による事例の群分け
5. 4 考  察

第6章 総合考察
6. 1 モーニング・ワークのモデルの検討を通して
6. 1. 1 2つのモデルと適合性
6. 1. 2 慢性疾患患者のモーニング・ワークの独自性
6. 2 モーニング・ワークの発達的観点からの考察
6. 2. 1 「否認」の様相に関する発達的変化
6. 2. 2 モーニング・ワークにおける時間的要因
6. 2. 3 葛藤の深刻さとモーニング・ワークの関連
6. 2. 4 PhaseⅡの語りにみられた質的な違い
6. 2. 5 モーニング・ワークの発達的な相違
6. 3 慢性疾患に付随する曖昧さをめぐる考察
6. 3. 1 病気そのものの曖昧さ
6. 3. 2 曖昧さの社会的側面
6. 3. 3 曖昧さの両義性
6. 3. 4 曖昧さへの社会・文化的寛容さ
6. 4 今後の課題
6. 4. 1 長期的・縦断的検討と質的研究の必要性
6. 4. 2 「他者」との関係に焦点づけた研究
6. 4. 3 今後の検討において留意すべき事柄

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内容説明

人生は何かを「得る」と同時に「喪う」という経験の連続である。そして「喪う」という経験に伴う痛みや悲しみを引き受けることが困難かつ重要な課題である。病気に伴うその心理的回復過程を「対象喪失」という観点から丁寧に描く。

●著者紹介
今尾真弓(いまお・まゆみ)
1996年名古屋大学教育学部卒業,2002年名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程後期課程単位取得満期退学,2010年名古屋大学 博士(心理学)取得。愛知教育大学,名古屋大学等での非常勤講師を経て,現在は臨床心理士として,学校教育現場,東日本大震災の支援活動に携わる。
主著に,『あなたは当事者ではない―<当事者>をめぐる質的心理学研究』(共編著,北大路書房,2007),『<境界>の今を生きる―身体から世界空間へ・若手一五人の視点』(分担執筆,東信堂,2009),『障害・病いと「ふつう」のはざまで―軽度障害者どっちつかずのジレンマを語る』(分担執筆,明石書店,2006)など。

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