遊牧・移牧・定牧

モンゴル、チベット、ヒマラヤ、アンデスのフィールドから

遊牧・移牧・定牧

アンデス、ヒマラヤ、モンゴルの高所世界、極限の環境で家畜とともに暮らす人々。その知られざる実態に迫る貴重な記録。

著者 稲村 哲也
ジャンル 地理・歴史・人類学  > 文化人類学
社会・文化  > 異文化・多文化
出版年月日 2014/03/31
ISBN 9784779508486
判型・ページ数 A5 ・ 434ページ
定価 3,850円(税込)

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極限の環境のなかで生きる牧民たちの世界

アンデスやヒマラヤの高所世界、モンゴルの乾燥地域で家畜とともに暮らす人々。その知られざる実態と変容を克明に追った、35年にわたるフィールドワークの記録。

【著者】

稲村哲也(いなむら・てつや)
1950年、静岡県に生まれる。東京大学大学院社会学研究科(文化人類学専攻)博士課程単位取得退学。現在、放送大学教授、愛知県立大学名誉教授・客員研究員、椙山人間学研究センター客員研究員、野外民族博物館リトルワールド客員研究員。アンデス、ヒマラヤ、モンゴルなどで、主として牧畜文化に関する文化人類学調査研究に従事。主な著書に、『リャマとアルパカ―アンデスの先住民社会と牧畜文化』(1995、花伝社)、『ヒマラヤの環境誌――山岳地域の自然とシェルパの世界』(2000、八坂書房、共編著)、『続・生老病死のエコロジー――ヒマラヤとアンデスに生きる身体・こころ・時間』(2013、昭和堂、共編著)など。

はじめに

第一章 モンゴルの遊牧――ゴビ地方を中心に
      フィールドワーク
      ゴビの遊牧のしくみ
      モンゴル国家体制の変革と遊牧経済の変容
      首都ウランバートルのゲル地区と市場経済化

第二章 モンゴル最北部・山岳タイガのトナカイ遊牧
      フィールドワーク
      トナカイ遊牧の実際
      ツァータンの来歴
      モンゴル国家体制の変革にゆれるツァータン

第三章 「小チベット」ラダーク・チャンタン高原における遊牧
      フィールドワーク
      遊牧の形態
      交易の衰退と社会の変化

第四章 チベット高原の多様な牧畜
      中国チベット自治区での広域調査
      チベットの村・地域のバリエーション

第五章 ヒマラヤの移牧――ネパール
      フィールドワーク
      夏の遊牧地の祭ヤルジャン
      移牧システム
      ヤク、ゾモ、牛
      シェルパ社会の変容

第六章 ヒマラヤの移牧――ラダーク
      フィールドワーク
      ドムカルの移牧と多様な家畜飼養の形態
      牧畜と交易の衰退
      ドムカルの社会とその変容

第七章 ヒマラヤの移牧――ブータン
      フィールドワーク
      ラヤにおける移牧の形態
      ラヤの社会の変化
      ブータン中部のブムタンでの調査
      ブータン極東部の牧民社会
      メラックの社会とその変容
      GNH(国民創幸福量)と環境・文化

第八章 アンデスのユニークな牧畜――定牧
      フィールドワーク
      祭に集まる牧民たち
      調査地プイカの牧民と社会
      定牧――アンデスのユニークな牧畜
      祭にあらわれる社会構造
      アンデス高地の社会変容

第九章 アンデスの「殺さない狩猟」チャク
      フィールドワーク
      チャクの実際
      チャクの復活とその意義

第一〇章 フィールドから学ぶ――新たな牧畜論の展開
      モンゴルとチベットの遊牧 比較の方法
      牧畜類型論再考
      アンデスの定牧
      新たな牧畜論の展開
      移動からみた、牧畜の諸特徴
      野生動物と家畜

第一一章 フィールドから学ぶ――高所から世界を展望する
      社会の変革への牧民の対応
      ペルーとネパールの内戦とその背景

あとがき

参考文献

索引

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