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『サークル村』と森崎和江

交流と連帯のヴィジョン

『サークル村』と森崎和江

分断と格差を越える横断的連帯を構想した『サークル村』。谷川雁、上野英信、そして森崎和江を中心に、その現代的意義を問う。

著者 水溜 真由美
ジャンル 教育・文学 > 文学
社会・文化 > 社会学
社会・文化 > 文化研究
出版年月日 2013/04/01
ISBN 9784779507557
判型・ページ数 4-6・424ページ
定価 本体3,800円+税
 

目次

序 章 『サークル村』と一九五〇年代の労働運動
        一 本書の背景
        二 一九五〇年代における労働運動の状況
        三 『サークル村』の描いたヴィジョン

第I部 炭鉱労働者のサークル運動
 
 第一章 炭鉱のサークルと労働組合
        一 炭鉱におけるサークル運動の盛衰
        二 サークルと労働運動
        三 労働組合におけるサークル支援
        おわりに
 
 第二章 炭鉱労働者の文学サークル運動
        一 各地の文学サークル誌
        二 サークル誌のなかの炭鉱
        おわりに

 第三章 炭鉱労働者のうたごえ運動
        一 炭鉱のうたごえサークル
        二 うたごえ祭典
        三 闘いとうたごえ
        四 炭鉱で歌われた労働歌
        おわりに

第II部 『サークル村』の運動と思想

 第一章 谷川雁のサークル構想
        一 共同体とサークル
        二 オルタナティヴとしてのサークル
        三 分断と交流
        おわりに

 第二章 サークル・ネットワークとしての『サークル村』
        一 九州・山口のサークル・ネットワーク
        二 中間周辺のサークル・ネットワーク
        おわりに

 第三章 全国交流誌と『サークル村』
        一 全国交流誌の理念と構想
        二 先駆けとしての『サークル村』
        おわりに

 第四章 谷川雁と三池闘争 ―「定型の超克」を中心に―
        一 転機としての三池闘争
        二 「定型の超克」
        おわりに

 第五章 労働者の横断的連帯を夢見て ―上野英信と追われゆく坑夫たち―
        一 『追われゆく坑夫たち』まで
        二 中小炭鉱の労働者の孤立
        三 炭鉱における「二重構造」
        おわりに

第III部 森崎和江における「交流」の思想
 
 第一章 同化型共同性の拒絶 ―森崎和江における共同体をめぐる問い―
        一 同化型共同性への批判
        二 近代日本と炭鉱
        三 『サークル村』と大正闘争
        おわりに

 第二章 森崎和江の女性論 ―『無名通信』と『第三の性』を軸に―
        一 女性交流誌『無名通信』
        二 『第三の性』
        おわりに

 第三章 「筑豊」を問い直す ―大正闘争後の森崎和江―
        一 大正闘争後の筑豊
        二 おきなわを考える会/『わが「おきなわ」』
        三 九州活動者連合準備会/『九州通信』
        おわりに

 第四章 近代日本の越境者 ―森崎和江とからゆきさん―
        一 越境者の系譜とからゆきさん
        二 からゆきさんと日本のアジア侵略
        三 出会いの経験を糧として
        おわりに

 註
 おわりに
 索引〔人名/事項〕

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内容説明

――労働者と農民の、知識人と民衆の、古い世代と新しい世代の、中央と地方の、男と女の、一つの分野と他の分野に横たわるはげしい断層、亀裂は波瀾と飛躍を含む衝突、対立による統一、そのための大規模な交流によってのみ越えられるであろう。
(谷川雁『サークル村』創刊宣言「さらに深く集団の意味を」)――


1958年9月、職業や地域、性などによって分断された人々を結ぶ場として、
筑豊の炭鉱を舞台に創刊された『サークル村』。
そこに結集した谷川雁や、上野英信、そして森崎和江たちは、
三池と安保、大正闘争を経て激動する時代のなかでどのような選択を行っていくのか。
彼らの構想した横断的な交流と連帯のヴィジョンを詳細な聞き取りと資料をもとに探り、その現代的意義を問う。

【著者紹介】

水溜真由美(みずたまり・まゆみ)

1972年大阪府生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程修了(学術博士)。
現在、北海道大学大学院文学研究科准教授。
専攻は、日本近代思想史。
著書に、『カルチュラル・ポリティクス 1960/70』(北田暁大・野上元との共編著、せりか書房、2005年)。

 

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