クリティカル・シンキング入門

クリティカル・シンキング入門
著者 アレク・フィッシャー
岩崎 豪人
品川 哲彦
浜岡 剛
伊藤 均
山田 健二
久米 暁
ジャンル 哲学・倫理  > 哲学
教養・共通科目  > 教養科目
テキスト
出版年月日 2005/12/01
書店発売日 2005/11/30
ISBN 9784888489720
判型・ページ数 A5 ・ 320ページ
定価 3,740円(税込)
在庫 品切れ・重版未定

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本書は、通常の文章の中から理由や結論を取り出す手法、概念の明確化、理由や情報源の評価法、推論の評価法など、クリティカル・シンキングの基本手法を非常に体系的に解説している。……実際読んでみて、強く印象を受けるのは練習問題が非常に充実している点である。……こうした特徴は、本書が……「考え方」を教えることの難しさをふまえて、実際の教育の中で鍛えられた教科書であることをうかがわせる。……(評者 伊勢田 哲治 氏〔名古屋大学〕)

220以上の内容豊かな例文と練習問題で “考える力”を基礎から鍛え、論理的・分析的な思考だけでなく,想像的・創造的な思考も養うことのできる、実践的〈思考の技術〉テキスト。

【訳者紹介】
岩崎豪人(いわさき・たけと)
京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。
哲学専攻。関西学院大学非常勤講師。
主要著作
・『はじめての工学倫理』〔共著〕(昭和堂、2001年)
・『工学倫理入門』〔共訳〕(丸善、2002年)
・【倫理学のフロンティア】 XIV 『工学倫理の諸相』(ナカニシヤ出版、2005年)  

品川哲彦(しながわ・てつひこ)
京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。
哲学専攻。関西大学教授。

浜岡剛(はまおか・たけし)
京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。
哲学専攻。中央大学教授。

伊藤均(いとう・ひとし)
京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。
哲学専攻。京都市立看護短期大学非常勤講師。

山田健二(やまだ・けんじ)
京都大学大学院文学研究科博士課程修了。
哲学専攻。北見工業大学助教授。

久米暁(くめ・あきら)
京都大学大学院文学研究科博士課程修了。
哲学専攻。関西学院大学専任講師。

まえがき
第1章 クリティカル・シンキングとは何か、どうしたら上達できるか
 1.1 クリティカルシンキングの伝統から、いくつかの古典的な定義
  1.1.1 ジョン・デューイと「反省的思考」
  1.1.2 エドワード・グレーザー――デューイの考えに基づいて――
  1.1.3 ロバート・エニス――広く使われている定義――
  1.1.4 リチャード・ポールと「思考についての思考」
 1.2 クリティカル・シンキングの基礎となる技術――幾つかの基本的能力――
 1.3 役に立ついくつかの例
 1.4 クリティカル・シンキングの最後の定義
 1.5 クリティカル・シンカーの態度と価値
 1.6 「批判的‐創造的な思考」
 1.7 この序論についてのまとめ

第2章 理由と結論を見分ける――推論に用いる言葉――
 2.1 推論の有無を決める
 2.2 推論の単純な例
 2.3 「推論に用いる言葉」?
 2.4 「したがって」テスト
 2.5 「推論に用いる言葉」?
 2.6 どうすれば自分の議論を明確に表現できるか
 2.7 書き手の言おうとしていることの見分け方――推論の構造――
 2.8 まとめ

第3章 推論を理解する――さまざまな推論のパターン――
 3.1 最も単純な場合
 3.2 並立的に理由を示す
 3.3 推論の「連鎖」
 3.4 結びあわせられなければならない理由――「結合的な理由」――
 3.5 もっと複雑なパターンの推論
 3.6 少し脇道にそれて――仮言文とその他の複雑な文――
 3.7 議論と説明の違い
 3.8 2つ以上の結論を引き出す
 3.9 まとめ

第4章 推論を理解すること――前提、文脈、シンキング・マップ――
 4.1 前提
 4.2 文脈
 4.3 推論を理解し評価するためのシンキング・マップ
 4.4 まとめ

第5章 表現と考えを明確にし、解釈する
 5.1 問題はなにか(あいまいだからか、多義的だからか、例が必要なのか、それとも?)
 5.2 聞き手はだれか?(どのような背景知識や考えを持っていると想定できるか)
 5.3 どうすれば、聞き手の目下の目的にとって十分な程度を明確にできるか
  5.3.1 話を明確にするために使える情報源
  5.3.2 言葉と考えを明確にするやり方
 5.4 目下の状況で目の前の聞き手にはどれほど詳しく語る必要があるか
 5.5 推論を明確にする必要のある問題
 5.6 本章の目的
 5.7 まとめ

第6章 理由の受け入れ可能性――およびその信頼性――
 6.1 受け入れ可能性に関する問いかけと文脈
 6.2 さまざまな種類の主張
 6.3 主張の受け入れ可能性
  6.3.1 それはどの程度確かであると主張されているか
  6.3.2 主張の文脈はその受け入れ可能性に影響するか
  6.3.3 それを決定するには専門的知識・調査が必要か
  6.3.4 それは広く知られたり信じられたりしているか
  6.3.5 それは私たちの他の考えとどの程度うまく適合するか
  6.3.6 それは信頼できる情報源からのものか
 6.4 ここまでのまとめ、受け入れ可能性を判断する技術
 6.5 情報源の信頼性を判断する技術
  6.5.1 いくつかの事例の提示
  6.5.2 例1に関する議論――整備士の助言を受け入れるべきか――
  6.5.3 例2に関する議論――「恐竜」人間のレポートを信用するべきか
 6.6 信頼性と真理
 6.7 まとめ

第7章 情報源の信頼性を判断する技術
 7.1 人物情報源が信頼できるかに関する問いかけ
  7.1.1 彼らは関連する専門知識を有しているか
  7.1.2 彼らは正確に観察する能力を有しているか
  7.1.3 彼らの評判は、彼らが信頼できることを示唆しているか
  7.1.4 情報源には利害関係や偏向があるか
 7.2 主張を行う際の状況・文脈に関する問いかけ
 7.3 情報源が提示する、ないしは提示できる正当化に関する問いかけ
  7.3.1 「私はXを目撃した」vs「彼女がXだと私に言った」
  7.3.2 「一次」資料 vs 「二次」資料
  7.3.3 「直接的」正当化・証拠 vs「状況」証拠
  7.3.4 信頼性に関する検討事項に直接言及することによる主張の正当化
 7.4 主張の性質に関する問いかけ
  7.4.1 私たちが知っている他の事柄を考慮した場合、信頼性はどうなるだろうか
  7.4.2 基本的な観察を述べているのか、それとも推定された判断なのか
  7.4.3 「一次」資料 vs 「二次」資料
 7.5 他の情報源からの補強はあるか
 7.6 まとめ

第8章 推論を評価する――前提及び関連する他の議論――
 8.1 推論とは何か
 8.2 よい推論かどうかの最初のテスト
 8.3 推論と議論を評価するその他の基準
 8.4 演繹的妥当性
 8.5 演繹的妥当性と議論のパターン
 8.6 合理的疑いを超えて立証される
 8.7 証拠からみて可能性が高いことが示される
 8.8 まとめ

第9章 推論を評価する――前提及び関連する他の議論――
 9.1 暗黙の前提
 9.2 「もし理由が正しければ結論はこうなる」を前提とすること
 9.3 関連する他の検討事項
 9.4 全体としての議論評価とよく論じられた論拠の提出
 9.5 まとめ

第10章 因果的説明についての推論
 10.1 大部分の因果的説明での推論のパターン
 10.2 因果的説明の例
 10.3 原因について考える際の典型的な弱点
 10.4 たくみな因果的説明のための基本的問いかけ
 10.5 因果的説明の言葉
 10.6 さまざまな事柄をうまく適合させる
 10.7 まとめ

第11章 意思決定――オプション、結果。価値とリスク――
 11.1 決定に関する思考におけるよくある欠点
 11.2 よい意思決定のモデル
  11.2.1 決定がなぜ必要かについて明らかにしなさい
  11.2.2 行動の他の可能性を必ず考慮しなさい
  11.2.3 さまざまな選択肢の起こりうる結果を考慮しなさい
  11.2.4 起こりうる結果がどれだけありそう/ありそうにないか、
     どれだけ価値がある/望ましくないかを考えなさい
  11.2.5 道徳的、倫理的関心を適切に考慮しなさい
  11.2.6 どの選択肢が結果に照らして一番よいかについて検討しなさい
 11.3 決定/推奨を扱うためのシンキング・マップ
 11.4 決定の手続きと「正しい」決定を下すこと
 11.5 まとめ

【付録】練習問題/問いの解説/用語解説/文献案内/訳者によるあとがきと解説/索引

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