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防災ゲームで学ぶリスク・コミュニケーション

クロスロードへの招待

防災ゲームで学ぶリスク・コミュニケーション

阪神淡路大震災での神戸市職員の実体験を基に、災害時の対応をシミュレーションするカード教材「クロスロード」の全貌。

著者 矢守 克也
吉川 肇子
網代 剛
ジャンル 心理学 > 社会
心理学 > コミュニケーション
コミュニケーション
出版年月日 2005/01/01
ISBN 9784888489348
判型・ページ数 A5・184ページ
定価 本体2,000円+税
 

目次

まえがき

第1部(理論編) なぜ今、防災にゲーミングか?

第1章 防災とゲーミング
1.2つの「リスク(risk)」
2.防災に見る2つのリスク
3.防災と<道具>
4.第3の<道具>としてのゲーミング

第2章 リスク・コミュニケーションとゲーミング
1.リスク・コミュニケーションとゲーミング
2.ゲーミングの可能性
3.クロスロード ―リスク・コミュニケーションの一手法としてのゲーミングの可能性―

第2部(実践編) 「クロスロード」のすべて

第1章 クロスロードができるまで
1.コンテンツの作成
2.手続きとルール

第2章 クロスロード実施の手引き(タイプA)
1.ゲームの進め方
2.ゲームのねらいと展開
3.応用的な使い方

第3章 クロスロード実施の手引き(タイプB)
1.ゲームの進め方
2.展開の仕方
3.応用的な使い方

第4章 カード内容解説

第5章 クロスロード実施事例と今後の展望
1.「大都市大震災軽減化プロジェクト」ハンズ・オン・セッション
2.大学生を対象とした実施事例
3.自治体での実践 ―高知県での活用事例―
4.今後の展望

あとがき
索  引

コラム Designer's Eye 研究とゲーム もうひとつの“クロスロード”
ゲームでの学び ―多様な視点への気づき
舞台装置としてのゲーム ―ジレンマのゲーム化
ゲーム制作 ―形のないものへの挑戦
教育ゲーム ―忘れたくないポイント
わかりやすいゲーム ―直感の利用
多様な視点 ―クロスロードでの「仕掛け」
ゲームの楽しさ ―個性との向き合い
ゲームでの個性 ―クロスロードでのこだわり
クロスロードでの発見 ―てのひらの勇気

付 録
付録1:ゲームの流れ(タイプA)
付録2:ゲームの流れ(タイプB)
付録3:クロスノート(【神戸編】精選10題)
付録4:クロスノート解説(【神戸編】精選10題)
付録5:クロスノートミニ解説(【神戸編】その他10題)
付録6:クロスノートミニ解説(【一般編】10題)
付録7:クロスロードのカードイメージ(日本語版)
付録8:クロスロードのカードイメージ(英語版)

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内容説明

阪神淡路大震災での神戸市職員の実体験を基に、災害時の対応をシミュレーションするカード教材「クロスロード」の全貌。ミニカード付き!

※カード教材「クロスロード」については、京都大学生協ルネ(TEL075-771-7336)にお問い合わせ下さい。

◇メディア紹介

6月15日付け読売新聞朝刊記事、「災害時の対応 難しさ体感」において本書が、紹介されました。なお、『日本シミュレーション&ゲーミング学会2005年度優秀賞』にも選ばれており、同学会誌シミュレーション&ゲーミング Vol.15, No. 1 June,2005に書評が、掲載されています。

また 「クロスロード」は、昨年、神戸新聞(2004/07/31)の記事(リンク切れ)でも紹介されました。

まえがき

 「クロスロード(Crossroad)」とは、元来、「辻」、「十字路」、「交差点」の意味で、そこから、「進退を決すべき岐路」の意味も派生した。本書で紹介する災害対応ゲーミング「クロスロード」は、防災という社会的営み、災害対応という人間活動が、「進退を決すべき岐路」の連続であるという理解に立って名づけたものである。
 自然のハザードに関して、自然科学による解明が進み知識が蓄積されればされるほど、逆説的に、防災における人間・社会科学的な側面のウェートは重くなる。たとえば、地震予知技術は、自然現象としての地震に関して何も知られていない場面でこそ力を発揮する。
 しかし、いったん予知が可能となれば、残された課題は、むしろ、人間・社会の側の決断にかかってくる。いつどこでどの程度の規模の地震が起こるかが(ある程度)分かれば、その後は、限りある予算を耐震化工事に注ぎ込むのか否か、注ぎ込むとしてどの建造物を優先するのか、あるいは、どの程度の救援隊を予め組織しておくのか、さらには、いつの時点で予知情報を公開するのかなど?われわれは、功罪両面が複雑に絡んだ無数の難しい決断に迫られることになる。まさに、クロスロードに立たされることになるわけだ。
 さて、「自助・共助・公助」という言葉がある。阪神・淡路大震災(1995年)の教訓を踏まえ、さらには、首都圏直下型地震、東海・東南海・南海地震など、阪神・淡路大震災を上まわる被害規模となることが予想される巨大災害へ向けて、今後の防災をリードする理念や原理を集約的に表現したフレーズである。すなわち、今後は、国や自治体を中心とした防災(公助)に加え、地域社会を基盤とする防災活動(共助)や個人や家庭をベースとした草の根の防災力の充実(自助)が重要だとの認識である。
 詳細は、本文に譲るが、このフレーズに示された方向性には、著者らも大いに賛同する。
 ただし、こうした方向性を現実的なものとするためには、それにふさわしい仕組み(制度、道具だて)の整備が必要だと感じる。従来のように、防災のエキスパートがその知識や技術を素人相手に一方的に伝授するというやり方が、上の理念にふさわしくないことは明らかだろう。
 共助や自助の実効性を高めるためには、専門的な知識・技術の一般市民への普及をはかりつつも、エキスパートと地域住民、あるいは、地元自治体と地域住民が防災をめぐってともに意見をきびしく戦わせ、かつ、地域防災のあり方について合意(コンセンサス)を確立するための仕組みづくりが不可欠である。本書でとりあげる「ゲーム(ゲーミング)」というメディアは、専門的な知識の伝達・普及にも、もちろん効果を発揮する。しかし、多くの当事者をゲームという共通の土俵に乗せることを通して、こうした合意づくりにも重要な役割を果たしうると信じている。
 実は、「クロスロード」という言葉には、冒頭に紹介したものに加え、もう一つ大切な意味がある。それは、「(辻や交差点にできた)集落」、「人々が集まる場所」、「活動の中心」といった意味である。クロスロードは、そこからの道のりが大きく二手に分枝していく分岐点であると同時に、それまで出会うことのなかった人々がそこへと集結してくる結節点でもあるのだ。
 「クロスロード」が、社会の防災を切実な問題ととらえ関心を寄せておられる多くの方々?自治体職員、防災研究者、企業のリスクマネジメント担当者、災害ボランティアの関係者、自主防災組織のメンバー、そして、地域住民の方々?が一所に集い、防災について理解を深め、将来の災害に備えるための共同的な活動のための拠点となることを切に願いつつ…。

著者一同

【著者紹介】
矢守 克也(やもり・かつや) 
京都大学防災研究所助教授、京都大学大学院情報学研究科助教授。『社会心理学の新しいかたち』(共著、誠信書房)、『ワードマップ質的心理学』(共著、新曜社)、『人間計測ハンドブック』(共著、朝倉書店)、他。

吉川 肇子(きっかわ・としこ) 
慶應義塾大学商学部助教授。『リスク・コミュニケーション』(福村出版)、『リスクとつきあう』(有斐閣)、『合意形成論』(共著、土木学会誌叢書)、他。

網代 剛(あじろ・つよし) 
ゲームデザイナー 

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